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経済・雇用
朝日新聞社

就活ってなんなの? 朝井リョウ、暇な女子大生、元エリート官僚…に聞いてみた!

初出:2015年7月10日〜8月20日
WEB新書発売:2015年9月3日
朝日新聞

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 新卒大学生を中心とした就職活動が、2015年になって、大きく様変わりしている。大学3年生を勉強に集中させるため、また夏以降に就活を始める留学生に配慮するため、大企業が開始時期を「後ろ倒し」、説明会を春、選考が4月〜8月にずらしたためだ。これまでにないパターンの就活とあって、学生の間には戸惑いが広がっている。しかし、そもそも新卒の「就活」ってなんなのか。そこで本当は何を考えるべきなのか。かつて就活に取り組んだ先輩や、企業のトップたちに話を聞いてみました。

◇第1章 死ぬな就活生、内定ゼロでも逆転ある/暇な女子大生さん
◇第2章 「やりたい仕事」って錯覚かも/僧侶・小池龍之介さん
◇第3章 元経産官僚、肩書捨てて見た地獄とは?/宇佐美典也さん
◇第4章 企業からの評価、気にしましたか/直木賞作家・朝井リョウさん
◇第5章 売り手市場、学生どう確保?/トリドール社長・粟田貴也さん(53歳)
◇第6章 面接にどう臨めば良いでしょう?/就活クールビズの仕掛け人・中野智哉さん(36)
◇第7章 採用担当として重視したことは?/日本生命保険執行役員・尾田久美子さん(61)
◇第8章 大企業ではなく中小で働く魅力は?/アオキ会長・青木豊彦さん(69)
◇第9章 就活塾どうしてはやる?/就活ワークス主宰・神瀬邦久さん(53)
◇第10章 好きな仕事に就くには?/会社員を辞めて天職のDJに・谷口キヨコさん
◇第11章 なぜ留学生の就活を支援するのか?/ジェイケイ・ブランディング社長、仙石琢也さん(44)
◇第12章 壁にぶつかったら?/タレント・森脇健児さん(48)


第1章 死ぬな就活生、内定ゼロでも逆転ある

暇な女子大生さん

 就職浪人して2年間で受けた会社はエントリーも含めて約300社、内定ゼロ。ブロガーの暇な女子大生さん(暇女さん)は「社会から全く必要とされていないと感じて自暴自棄になり、死んでしまおうと思った」と、自らの就活を振り返ります。本当に自分がやりたいことを突き詰めた結果、大学時代に始めたブログから、「文章を書くこと」にたどり着きます。今は「まあ、生活していくだけの収入はあります」と暇女さん。就活生に「死ぬな。人生、諦めなければ一発逆転あるぞ」とエールを送ります。


     ◇

 ――就活を振り返ってみてどうでしたか。

 「2年間やりましたが、茶番でしたね。時間とお金の無駄。手当たり次第にエントリーして、説明会に行ったり、面接に行ったり。結局、本気で就職したいと思っていないから、用意できる志望動機や入社後にやりたいことが、薄っぺらいんですよ。見抜かれていたんでしょうね。全然、内定はもらえなかった。『お邪魔しまーす』みたいなテンションで面接に行って、『何しに来たの?』っていう会社側のオーラをすごく感じました。そういう時、選考コストを支払っている会社側にも、ほかの就活生にも罪悪感がありました」

 「とある建設会社の最終面接に呼ばれて、本社のある札幌まで飛行機で行ったときのことです。役員との面接はまあまあうまくいったのですが、最後の社長面接で『あなたにとって働くうえで大事なことは?』と聞かれて、『えーと、過労死しないように会社から自分を守ることです』と答えたら、ブチ切れられて落とされました。ウケ狙いとかじゃなくて素直にそう思ったんです。就活って、就活生が『入れてください。お願いします』というスタンスじゃないですか。それに違和感があった。組織への従順さを、入社前から求められるのって変ですよね」

 ――就職したくないのになぜ就活したのですか。

 「就職するほかに生きていく手段を思いつかなかったからです。大学院に行く、または留学する子以外、みんな当然のように就活していましたし、親の経済的援助からも自立したかった。それに、就職以外でお金を稼ぐ方法を教えてくれる人がいませんでした。リクルートスーツを着て、ヒールを履いて、普段は絶対にしないようなヘアメイクをして『どうせ落とされるんだろうな。あーあ、死にたいな』と思いながら大嫌いな満員電車に乗っていました」

 ――就活2年目の春に「暇な女子大生が馬鹿なことをやってみるブログ」を始めました。

 「きっかけは就活のストレス解消です・・・

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