文化・芸能
朝日新聞社

50代は起業に向いている 中高年からのベンチャー起業入門

初出:朝日新聞2015年7月6日〜8月10日
WEB新書発売:2015年9月10日
朝日新聞

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 起業というと若い世代が注目されがちだが、中高年も頑張っている。会社勤めで身につけた技術やノウハウを活かして製品づくりをしたり、資格を活用して税理士などの事務所を開いたり。50代、60代での起業も、珍しい時代ではなくなっている。ソニーをやめて高級家電メーカーを立ち上げた古賀宣行さん(57)、経産省官僚から経営相談のNPOに転じた飯塚盛康さん(60)、コンタクトレンズ検査員の経験をもとに、付け外しを楽にする器具を開発、57歳で起業した斉藤和子さん(60)、ネットで申し込むライフネット生命保険を60歳で立ち上げた出口治明さん(67)など、先駆者の姿を追う。

◇第1章 「本物の家電を」52歳で独立
◇第2章 「ホワイト企業」増やしたい
◇第3章 「輝く瞳を」57歳から起業
◇第4章 障がい者就労、脱サラし支援
◇第5章 50代こそ会社を飛び出せ


第1章 「本物の家電を」52歳で独立

カドー社長/古賀宣行さん(57)


 50歳を過ぎるまでの30年間、「ウォークマン」などの開発に没頭するソニーの技術者だった。インタビューに訪れた記者がICレコーダーを机に置くと、どこか誇らしげな視線を送りながら、こう口にした。

 「ああ、まさしく私が立ち上げた製品ですよ」

 ――へえー。起業した家電ベンチャー「カドー(cado)」が手がける空気清浄機や加湿器などとは、結びつきにくいですが。

 「もともとは、ウォークマンの駆動部分の設計者でした。カセットテープを巻き取って送り出す部分を、より薄型に、小型に、と取り組んだ。そこで学んだ金属などの材料や加工法についての知識や技術は、意外と幅広く使えるんです」

 ――空気清浄機の最高級モデルは、税込みで12万円ぐらいしますね。

 「きれいな空気を送り出す性能で、まず圧倒的に差をつけることを目標にしました。米国家電製品協会が世界最高レベルと認めたことは自信になっています。世界に通じる本物を追求したい。需要は間違いなくあります」

 ――オンリーワン、へのこだわりですか?

 「性能がいい、デザインも美しい、だけでなく、つくる人のこだわりの心が感じられ、使う人の心にも感動を与える家電をつくりたい。大手がやらない、やれない領域で世界トップレベルをめざしたいですね」

 ――販売は広がっていますか。

 「日本と中国に加え、2014年末からは韓国と台湾でも売り始めました。さらに東南アジアや欧米にも広げていく予定です」



◎「いずれ自分で」ソニー飛び出す

 家具の産地で知られる福岡・大川で、「社長さん」たちに囲まれて育った。自然と培われた「いずれは自分で事業を」との思い。ソニー時代の2006年に赴任した中国・深圳で、この原点を思い起こす・・・

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50代は起業に向いている 中高年からのベンチャー起業入門
216円(税込)

起業というと若い世代が注目されがちだが、中高年も頑張っている。会社勤めで身につけた技術やノウハウを活かして製品づくりをしたり、資格を活用して税理士などの事務所を開いたり。50代、60代での起業も、珍しい時代ではなくなっている。ソニーをやめて高級家電メーカーを立ち上げた古賀宣行さん(57)、経産省官僚から経営相談のNPOに転じた飯塚盛康さん(60)、コンタクトレンズ検査員の経験をもとに、付け外しを楽にする器具を開発、57歳で起業した斉藤和子さん(60)、ネットで申し込むライフネット生命保険を60歳で立ち上げた出口治明さん(67)など、先駆者の姿を追う。[掲載]朝日新聞(2015年7月6日〜8月10日、8600字)

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