【お知らせ】WEB新書は閉店しました。

社会・メディア
朝日新聞社

心と脳はどうなってる? 発達障害、テレパシーからスマホ音声認識まで

初出:2010年6月19日、8月28日、2011年4月23日、2012年4月14日、2013年11月2日、12月14日、2014年9月20日
WEB新書発売:2015年10月15日
朝日新聞

このエントリーをはてなブックマークに追加

 人間にとって一番身近な存在でありながら、思い通りにならないのが「心」と「脳」。現代科学は、心と脳をどう捉えているのでしょうか? 次のテーマで、最新事情を調べてみました。「発達障害」「テレパシー」「脳卒中」「認知症」「もの忘れ」「ウソ発見器」「スマホの対話ソフト」。

◇第1章 [発達障害]―特定分野では秀でた能力も
◇第2章 [テレパシー]―機械で心が読める時代も
◇第3章 [脳卒中]―リハビリ早いほど回復しやすい
◇第4章 [認知症は予防できる]―生活習慣のコントロールが鍵
◇第5章 [もの忘れと認知症]―認知症の6割がアルツハイマー
◇第6章 [ウソ発見器]―ウソでなく、知っているかを判定
◇第7章 [スマホの対話ソフト]―人工知能で雑談にも対応


第1章 [発達障害]―特定分野では秀でた能力も

 最近、発達障害という言葉をよく耳にします。
 「発達障害でノーベル賞を取った人がいる。自信を持って」。2010年4月末、殺人未遂罪で懲役9年の判決を受けた発達障害の男性(25)の控訴を棄却した東京高裁の裁判長が、男性をこう諭して話題になりました。
 ノーベル賞受賞者のアルバート・アインシュタインをはじめ、レオナルド・ダビンチやトーマス・エジソン……。伝えられるエピソードなどから、歴史上の人物で発達障害を抱えていたのではと、名前が挙がる人は大勢います。
 本当のことはわかりません。ただ、実際に発達障害と診断された人の中にも、人とうまく付き合えないなど不得手な面がある一方、特定の分野では抜きんでた能力を発揮する人がいるようです。
    ◇
 都立小児総合医療センターの市川宏伸顧問はその理由を次のように解説します。
 「発達障害の人は発達の仕方が一般の人とは異なり、考え方も異なります。だから、得意分野の能力をうまくいかせれば、いい仕事ができるのかもしれません」
 発達障害の原因ははっきりしませんが、脳機能の障害と考えられ、想像する力やコミュニケーションなどの発達に支障がある人がいます。ひとつの状態をさすのではなく、自閉症やアスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などの総称です。


 国の発達障害情報センターによると、軽い人も含めると自閉症は約100人に1人いるそうです。文部科学省の調査では、特別な配慮が必要な発達障害と思われる小中学生が6%以上いたといいます。
 発達障害という言葉が使われ始めたのは1961年、当時のケネディ米大統領が作った「精神遅滞に関する会議」においてでした。大統領の妹は知的障害者でした・・・

このページのトップに戻る