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朝日新聞社

虐待老人ホーム 介護サービス情報公表システムで問題施設を避ける方法

初出:2015年10月28日、10月29日
WEB新書発売:2015年11月12日
朝日新聞

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 臭いが鼻についた。認知症の祖母が着ていたカーディガンや寝具には便がこびりついていた。トイレの便座、手すりも便で汚れていた。洗面台に水あかとかび、テレビ台にはほこり。ナースコールを押しても反応はなかった――。虐待、ネグレクト、暴力など、有料老人ホームをめぐる問題が相次いで明らかになっています。手厚いケアを受けられるはずなのに、何が起きているのでしょうか。現状のレポートと合わせて、インターネットで公開されている情報などを元に、問題施設を見分ける方法をガイドします。

◇人手不足、失う心
◇職員の表情や清掃状況は


◇人手不足、失う心

◎入居者の服に便/ナースコール対応しきれず
 神奈川県の40代女性は、有料老人ホームに入居していた祖母の部屋を訪ねたときのショックが忘れられない。2014年9月のことだ。
 臭いが鼻についた。認知症の祖母が着ていたカーディガンや寝具には便がこびりついていた。トイレの便座、手すりも便で汚れていた。洗面台に水あかとかび、テレビ台にはほこり。ナースコールを押しても反応はなかった。
 まだ暑さを感じる気候だったが、窓は閉め切られ、エアコンもついていなかった。足元のおぼつかない祖母がきちんと水分補給できているのか気になったが、ホームのスタッフには「ご自分で摂取できています」と返された。
 部屋や衣類の汚れを指摘すると、「すぐ確認します」という返答があった。気になって翌日に再訪問すると、祖母は前日と同じ汚れた服を身に着け、部屋は清掃されていなかった。施設側は「人手不足で、できませんでした」と平謝りだった。
 入居費用は月額25万円程度。祖母の年金だけでは足りず、息子である女性の父親(70代)の年金も投じた「終(つい)のすみか」だった。
 祖母のお金で日用品の買い物をする際、職員が自分のポイントカードにポイントをためていたことも発覚。不信感が高まって転居先を探し、15年1月になって空きがあったグループホームに転居した。
 「あのとき私が気づいていなかったらと思うとゾッとする。泣き寝入りの人はたくさんいると思います」
 東京都内の有料老人ホームで介護職員として働く50代の女性は「人手不足で、ネグレクト(放置)と言っても過言ではない状況が常態化している。質のよい介護などしたくてもできない。それが月30万円近くを入居者から受け取る有料老人ホームの実態です」と打ち明ける・・・

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