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医療・健康
朝日新聞社

これで医療事故は減るか 調査制度スタート

初出:2015年10月28日〜10月31日
WEB新書発売:2015年11月12日
朝日新聞

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 法律に基づく医療事故調査制度が始まったが、これで医療事故は減るのだろうか。問題はある。制度は「予期しない死」が対象で、重傷・重体や重大な後遺症は含まれていない。病院側が「予期しない死」と判断すれば第三者機関に届け出て調査、遺族が納得しなければ第三者機関が自ら調査することになっているが、主役は遺族より病院という印象は否めない。とはいえ、始まったばかりの制度。まずは仕組みを知ることから始めよう。

◇第1章 「予期しない死亡」が対象
◇第2章 誰がどこまで調べるの?
◇第3章 遺体の解剖、何が分かる?
◇第4章 遺族の不信感、取り除くには?


第1章 「予期しない死亡」が対象

 「いろんな問題はあるが、医療界とともに国民から信頼される制度となるようこれからも役立ちたい」
 1999年に東京都立広尾病院で妻を医療ミスで亡くし、制度創設を求める活動を続けてきた永井裕之さん(74)は2015年10月2日、厚生労働省での会見で思いを語った。
 制度は14年6月に成立した地域医療・介護推進法に盛り込まれた。調査の対象となるのは、診察や検査、治療といった医療に起因(疑いも含む)する「予期しない死亡と死産」だ。意識不明といった重体のケースや生涯抱える後遺症は対象にならない。全国に約18万あるすべての医療機関・助産所で15年10月1日以降に起きたものが対象だ。
 仕組みはこうだ。病院など医療機関の院長が「予期しない死亡」が起きたと判断した場合、第三者機関の「医療事故調査・支援センター」に届けて院内調査をし、結果を遺族とセンターに報告。遺族らが結果に納得できなければ、センターに調査を依頼し、センターが独自調査をして、それを遺族と医療機関に報告する。
 届け出は年1千〜2千件と推定されている。センターは、得られた情報を集め、事故の共通点を探り、再発防止策を様々な医療機関に知らせる。防止策が病院などの医療機関に浸透しているかも調査する。



◎実施は医療機関側が判断
 ただ、医療機関側が医療事故でないと判断すると、事故調査は始まらない。遺族側からセンターに届け出ることはできない。医療機関側が自らに都合よく解釈して、調査しないのではないかと、遺族側は懸念する。14年11月に発覚した群馬大病院(前橋市)で腹腔(ふくくう)鏡による肝臓切除手術を受けた患者8人が死亡した事故では、死亡してから事故だったと知るまでに数年もかかった遺族もいた・・・

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