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朝日新聞社

ネット民泊是か非か 利便性とセキュリティどちらを取る?世界で大論争

初出:2015年1月18日、9月3日、10月19日、10月20日、11月8日
WEB新書発売:2015年11月26日
朝日新聞

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 自分の部屋を旅行客らに貸す「Airbnb」(エアビーアンドビー)などのネット「民泊」ビジネスが、世界中で急拡大している。日本国内では、セキュリティの面からの懸念が高まっており、トラブルもある一方、東京都大田区や大阪府、大阪市では条例で法の網をかぶせる方針だ。フランスなど他国の事例もまじえながら、利便性とセキュリティの両立の道をさぐる。

◇第1章 「民泊」トラブル拡大/都心、政府のルール化遅れ
◇第2章 「民泊」貸し手をお手伝い
◇第3章 パリの「民泊」、明と暗
◇第4章 我が家を「宿」に、急増
◇個人の家に旅行者宿泊「民泊」を認めるの?


第1章 「民泊」トラブル拡大/都心、政府のルール化遅れ

◎4歳が転落死
 2015年7月下旬、東京都渋谷区のマンション12階のベランダから、中国人の女児(4)が転落死した。民泊中の事故だった。観光で来日し、母親は近くのコンビニでディズニーランドのチケットを買っていた。部屋はネットで予約していた。
 だが、駆けつけた所有者側は、転落した女児が誰かわからなかった。「社宅に使う」と言う会社に貸した部屋で、民泊に使われるとは想像もしなかった。
 京都市でも、全44室の賃貸マンションの36室が外国人旅行者の宿泊に使われていたことが発覚。京都府警は運営業者らを近く旅館業法違反(無許可営業)容疑で書類送検する方針だ。
 旅行者を有償で繰り返し宿泊させるには、本来は旅館業の営業許可が必要だ。だが、急増する外国人旅行者の受け皿として、無許可の民泊が急増している。
 背景には、米国発の仲介サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」の存在が大きい。日本の紹介物件は1万8千と前年の3倍を超える。同社日本法人は「私どもは法令を守るよう要求している」と強調するが、実際には多くの物件が旅館業の許可なく人を泊めている。政府がホテル不足の解消に民泊活用の姿勢を示しつつ、ルールづくりが進まないこともある。
 民泊には、自宅の一室に旅行者を泊め、ホームステイのように交流を楽しむイメージがある。だが、都心では自宅でないマンションを投資目的で貸し出す例が多く、大家に無断の転貸物件も少なくない・・・

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