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医療・健康
朝日新聞社

その健康食品が命取り? 知らないでは済まされないメリット・デメリット

初出:2015年11月11日〜11月21日
WEB新書発売:2015年12月3日
朝日新聞

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 体によいことを売りにする健康食品には、サプリメントや「特定保健用食品(トクホ)」「機能性表示食品」など、さまざまな種類があります。しかし、よく確かめて買わないと、中には健康への悪影響が懸念されるものも。どう見分ければいいのか? 健康食品との正しい接し方を探ってみました。

◇第1章 効果アピール 3つの制度
◇第2章 機能性表示食品の特徴は?
◇第3章 広告や表示、冷静に読み解いて
◇第4章 情報の信頼性、確かめるには?
◇第5章 どんなリスクに注意が必要なの?
◇第6章 違法表示や悪質勧誘、取り締まりは?
◇第7章 欧米の表示ルールは?
◇第8章 賢く付き合うポイントは?


第1章 効果アピール 3つの制度

 首都圏などに145店を展開する「トモズ」のコレド日本橋店(東京都中央区)は、オフィス街で働く人たちが多く利用するドラッグストアだ。
 健康食品コーナーにはビタミンやミネラルなどのサプリメント、ウコン入りドリンク剤、青汁、スムージーなどが並ぶ。テレビCMでよく見るトクホや、新ジャンルの機能性表示食品もある。同店は約600点を扱っているという。
 市場調査会社インテージの「健康食品・サプリメント市場実態把握レポート」によると、2014年度の市場規模は1兆5341億円、利用者数5665万人と推計された。
 それほどまでに普及している「健康食品」だが、実は法律上の定義はない。
 食品衛生法と食品表示法、医薬品医療機器法(旧薬事法)により、医薬品と医薬部外品を除き、人が口にする物はすべて「食品」とされる。医薬品などと異なり、食品には身体への効果や効能の表示はできない。違反には罰則もある。


 ただし、例外的に健康への働き(機能性)を表示してよい食品もある。「保健機能食品」と呼び、現在、トクホ、栄養機能食品、機能性表示食品の3種類がある。健康への効果を売りにする食品が増え、少しずつ制度が拡大されてきた。
 トクホは国による認定制度で、1991年にスタートした。商品の安全性と有効性、表示内容を国が審査し、許可を出す。現在までの24年間で約1600点が許可を受けた。
 栄養機能食品は01年に開始。必要な栄養の補給に利用するという位置づけで、ビタミン・ミネラルなど20の成分に限り基準を満たした商品がその働きを表示できる。国への許可申請や届け出は必要ない。
 三つ目の機能性表示食品は15年春始まった。届け出制で、トクホのような審査はない。栄養機能食品のような成分の限定もない。企業は一定の届け出要件を整えれば、自らの責任で機能性を表示できる。
 カプセルや錠剤などのサプリメントには、保健機能食品であるものと、そうではないものがある。
 「栄養補助食品」「健康補助食品」「栄養調整食品」などと表示する商品もあるが、これらには法的位置づけはない。
 保健機能食品以外の健康食品は一般の食品として扱われ、機能性は表示できない。それでも、含有成分を強調したり「サラサラ」「イキイキ」といった良好なイメージを喚起する言葉を使ったりして、消費者に訴えかけている。

■「使う」6割…時に悪影響も
 内閣府消費者委員会の利用実態調査(12年)では、健康食品を「ほとんど毎日」または「たまに」使う人は合わせて約6割に達し、50代以上は3割がほぼ毎日使っていた。使う目的(複数回答可)は「体調の維持・病気の予防」(50%)、次いで「健康の増進」(43%)が多かった。
 一方で、健康食品で健康を損なう事例は国内外でたびたび報告されている。米国で13年、ダイエット目的のサプリメントによる肝障害が発生し、死者も出た。日本でも飲んだ女性が入院し、厚生労働省が使用中止の注意喚起をした・・・

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