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朝日新聞社

やると決めたら、徹底的にやる 発明で不治のガンに挑むドクター中松の人生

初出:2016年3月28日〜3月31日
WEB新書発売:2016年4月21日
朝日新聞

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 「『バカ』は易しい道が好きですぐに諦めます。『天才』は難しい道に立ち向かい、決して諦めずに人生を楽しみます。え? ならば私は天才? いや、それは自分ではなく、他人が決めるものです」――。ユニークな発明、奇抜な言動、度重なる選挙への立候補で知られるドクター中松氏(87)。治療法のないガンに侵されながらも、得意の発明で克服を試みている。そんな中松氏が自らの来し方を振り返る、痛快無比のインタビュー。

◇第1章 がんに感謝、治療法発明するチャンス
◇第2章 5歳で模型飛行機 母の教え土台に
◇第3章 提案型営業でトップセールスマンに
◇第4章 海軍の先輩に託され、総理を目指した


第1章 がんに感謝、治療法発明するチャンス

 ――「病気で2015年の年末を越せない」とおっしゃった時は驚きました。またお会いできてうれしいです。

 がんを患い、医師から「余命2年」との宣告を受けていたのです。その期限が15年末でした。でも私は12月24日までに治療のための10種類の発明を完成させました。例えば、がんになると心が弱るので、元気になるための歌「ガンの顔つき悪くても」を作りました。体を動かして前向きな気持ちになるための「ドクター中松A」という運動補助具も。「ドクターナカマツエー」の最後の3文字に注目してください。「ツエー」、そう「杖」です。

 ――10種類の治療法の効果のほどは?

 効果があるのかどうかは、私にもまだわからない。「余命期限」を乗り越えたので、多少の効果はあるのでしょう。しかし本当にがんをやっつけたのかどうかは半年間の経過を見なければいけません。

 ――がんの発見はいつ?

 13年末の検査の結果、膀胱(ぼうこう)近くの下腹部の難しいがんと診断され、医師からは「治療法がない」と言われました。今は時々、おなかの奥にずしんとした痛みがあり、移動は基本的には車椅子です。

 ――診断を受けたときは、どんな気持ちでしたか。

 「そんなことないだろ」と思いました。高度医療のあらゆる病院も行ったけど、やはり治療法はなかった。では、どうするか。自分で発明しようと考えました。

 ――人々を笑わせ、考えさせる研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」の「栄養学賞」を05年に受賞。あれも健康に関する研究でしたね。

 42歳から34年にわたって毎日、食べた物の写真を撮り、血液を調べ続けた研究です。赤血球など約30項目を調べて、食べ物と数値の関連を探ったのです。レストランで撮影していて、「レシピを盗むつもりか」と怒られたこともありましたよ。

 ――何を発見しましたか。

 一日3食より一日1食の方が体調が良くなった。理想的な生活を続けると、理論上の人間の寿命は最大144歳ということもわかりました。大切なのは、具体的に言うと、運動、睡眠、食事などです。例えば食事の中身で言うなら和食がおすすめですね。もっとも和食でも脂っこいものはよくないと思います。

 ――その理論にもかかわらず、病魔が……。

 まさに伏兵にあいました・・・

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