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経済・雇用
朝日新聞社

専業主婦、関西はなぜ多い 働きたくても高い壁

初出:2016年6月29日〜7月1日
WEB新書発売:2016年8月4日
朝日新聞

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専業主婦の割合は、2012年のデータで奈良県が51・2%と全国一。2位兵庫県、3位大阪府と続く。「妻が家を守る」意識が根強いが、夫の平均年収は過去15年で28万円減り、家計のため、女性の働き手は増えつつある。地場産業とも言える電機メーカーの業績悪化・製造業を中心とした本社機能の東京移転……正社員の口は少なく、大学卒業後、関西を離れる女子学生も増加している。「女性の活躍」の高い壁をルポ。

◇第1章 「家守る妻」、変化の兆し
◇第2章 ノー残業で評価下げない
◇第3章 行政頼らず、働き方模索


第1章 「家守る妻」、変化の兆し

 大阪府堺市の閑静な住宅街。築8年の一軒家に暮らす主婦(42)は、夫(39)と長女(10)、長男(7)、次男(3)を送り出した後、家事や学校の行事に忙しい。11年前の結婚後、専業主婦の日々を送る。「ママ友」の何人かは仕事を始めたが、「主婦歴が10年を超えると仕事を探すのもちゅうちょする」。
 結婚している女性に占める専業主婦の割合は大都市部で高く、関西は特にその傾向が強い。2012年のデータでは、奈良県が51・2%と全国一で、兵庫県や大阪府が2、3位と続く。
 アジア太平洋研究所は16年3月、関西の女性就業率の低さに関する報告書で、「関西はまだまだ女性が働くことに否定的な考え方が根強い」と分析した。
 内閣府が15年に発表した「地域における女性の活躍に関する意識調査」では、「自分の家庭の理想は『夫が外で働き、妻が家を守る』ことだ」との質問に「そう思う」「ややそう思う」と答えた人の割合は、奈良が50・4%と全国トップ。関西は全府県が全国平均(44・2%)を上回る。
 夫が働いて稼ぎ、妻は家事や子育てをする。高度成長期に定着した家庭像だが、変わりつつある。
 奈良市の女性(27)は2016年6月から毎朝、「いやや!」とぐずる長男(2)を無認可保育園に預け、車で勤め先の医療施設へと急ぐ。週に5日、1時間の通勤風景だ。
 4年前の結婚を機に勤めていた保育園を辞め、専業主婦に。しかし、生活するには夫婦とも車が欠かせず、学生時代に借りた奨学金の返済もあった。「しっかり働こう」と、奈良県が設けた子育て女性向け就職相談窓口を訪ねた・・・

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