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医療・健康
朝日新聞社

人生の最期はどう迎えたいですか? アンケートから見る日本人の意識

初出:2016年2月21日〜3月13日
WEB新書発売:2016年8月4日
朝日新聞

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だれにでも訪れる人生の最終段階。「最期の医療」については、こうありたいという考えはさまざまです。そのとき、どうなるのか、心配なこともいろいろあります。朝日新聞デジタルのアンケートに寄せられた回答を紹介するとともに、医師、看護師、研究者の意見を聞きました。

◇第1章 心配なこと
◇第2章 何を望むか
◇第3章 意思を伝える
◇第4章 どう決めるか


第1章 心配なこと


◎最期の医療を考える
 病気が治る見込みがなく、最期の時が近づいている「人生の最終段階」で、どのような医療を選んだらいいのか、さまざまな論議があります。
 医療技術を駆使して延命する医療を受けたいという考え方もありますし、延命措置は控えてできるだけ自然な経過で平穏に最期を迎えたいという考え方もあります。
 末期がんなどの激しい痛みや苦痛をできるだけ取り除く緩和ケアも必要です。がんで亡くなった人のうち自宅で死亡した割合は2005年は6%だったのが、14年には10%に増えました。この間、医師や看護師が自宅を訪問して苦痛を緩和し支える在宅医療が進んできたためとみられています。ただ、在宅医療の充実度は地域差がありますし、家族の協力も必要になります。
 このような人生の最終段階での医療の方針決定はとても難しいものです。患者の意思を尊重しつつ医師らとどう話し合って決めたらいいか、07年に厚生労働省のガイドラインが示されたほか、関係する学会などからも提案が出ています。
 健康長寿を望んでいても、だれにでも訪れる人生の最期の時期。主に痛みや苦痛を緩和する医療を受けたいという考える人がいる一方で、延命を優先する医療を受けたいという人もいます。実際にはこのような医療の方針を決めるのは難しいものです。最期の医療について皆さんと一緒に考えたいと思います。

◎痛み和らげ、家にいたい
 アンケートには、病にある方、家族をみとった方などからの切実な声が寄せられています。抜粋して紹介します。

 ●「現在、スキルス胃がんの治療中で入院しています。何度も胃穿孔(せんこう)を繰り返し手術もできず、痛みとの闘いです。痛みを和らげて少しでも自宅で過ごしたいのが本音です」(熊本県・40代女性)

 ●「末期がん患者です。抗がん剤治療を受けると同時に、ホスピスのある病院での緩和外来受診をしています。私の最期を看病するのは夫になりますので、女性が看病する場合とは違う負担があるとわかっています。そのため、最期はそのホスピスで延命治療は一切なしで、と考えています」(滋賀県・50代女性)

 ●「現在乳がんを患っている64歳独身。在宅で死にたいが、どこまで公共医療が使えるのか知りたい。娘は独身で看護師として懸命に生きているので迷惑はかけたくないが、身内がいるのに頼れない、頼らないでは世間が許さないだろう」(香川県・60代女性)

 ●「今まさに治療不可能の状態にいます。最初の手術から30年経過しています。何回か手術し、放射線、抗がん剤を続けて今回は、自然に任せることにしました。でもこれであと何カ月・何年生きていけるのかこれから動けなくなってどんな死に方を迎えるのか不安です。最後に家にいたいのはやまやまですが、家族に負担をかけることはしたくありませんし、できないのではないかという思いです・・・

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