医療・健康
朝日新聞社

小学3年生からの糖尿病経験 病気をプラスにするものの見方

初出:朝日新聞2016年9月5日〜9月9日
WEB新書発売:2016年9月29日
朝日新聞

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 東京都に住む大学院生(35)は、小学3年生だった91年3月のある夜、自宅で意識を失いベッドから転げ落ちた。1型糖尿病だった。治療には、毎日のインスリン注射が欠かせない。看護師さんの注射では気にならなかったが、母が注射するとものすごく痛かった。よく見ると、注射器を持つ手が震えていた。注射のたびに、つらい思いをさせていることに気づいた。「これからは自分で注射しよう」と決めた……。紆余曲折を経て、病気と前向きに向き合うようになるまでの体験記。

◇第1章 血糖測定 成績表のよう
◇第2章 インスリンポンプで楽に
◇第3章 闘病の経験 役立てたい
◇第4章 治療や副作用 伝えたい
◇第5章 学校・企業 講師求める声


第1章 血糖測定 成績表のよう

 東京都に住む大学院生、香川由美(かがわゆみ)さん(35)は、製薬企業の社員研修や医療系大学の授業によく招かれる。「病気はマイナスではありません。病気の経験は人生をプラスにできます。語りを通して、病気がない人とも学びあえます」
 小学3年生だった1990年秋、「異変」に気付いた。風邪のようなだるさを感じ、ひどくのどが渇いた。当時住んでいた神戸市の病院を2回受診したが、異常は見つからなかった。「仮病だと思われているんじゃないかな」と心が痛んだ。
 翌91年3月のある夜、自宅で意識を失いベッドから転げ落ちた。母に抱えられ向かった病院で、血糖値が異常に高いことが判明。1型糖尿病と診断され、入院した。意識が戻ったとき、「助かった」と安心した。「しんどいのは病気のせいだとわかってもらえる」
 1型糖尿病は、子どもや若いころに発症することが多い。本来は外敵から体を守るはずの免疫の異常で膵臓(すいぞう)の細胞が破壊され、体内でインスリンを作れなくなる。体の細胞内にブドウ糖を取り込めず、血糖値が異常に高くなる。治療には、毎日のインスリン注射が欠かせない・・・

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小学3年生からの糖尿病経験 病気をプラスにするものの見方
216円(税込)

東京都に住む大学院生(35)は、小学3年生だった91年3月のある夜、自宅で意識を失いベッドから転げ落ちた。1型糖尿病だった。治療には、毎日のインスリン注射が欠かせない。看護師さんの注射では気にならなかったが、母が注射するとものすごく痛かった。よく見ると、注射器を持つ手が震えていた。注射のたびに、つらい思いをさせていることに気づいた。「これからは自分で注射しよう」と決めた……。紆余曲折を経て、病気と前向きに向き合うようになるまでの体験記。[掲載]朝日新聞(2016年9月5日〜9月9日、4700字)

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