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朝日新聞社

ピーチはなぜ独り勝ちできたのか ゼロから始めたLCC創業物語

2016年10月07日
(10100文字)
朝日新聞

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 「3年以内にLCCを立ち上げて、アジアの流動を取り込め」――。ANAホールディングスを筆頭株主に持ち、関西国際空港を拠点に急成長を遂げている格安航空会社(LCC)、ピーチ・アビエーション。その出発点は、全日空社長(当時)のそんな一言だった……。2015年、日本の国際線旅客数に占めるLCCの割合は13・5%、国内線も10%になり、初めて2桁に到達した(国土交通省調べ)。「LCC元年」の12年はあわせて500万人に満たなかったが、3年で1800万人を超えた。気軽な足として定着したLCCの中でも、ピーチが著しい成長を遂げている。なぜだろうか。開港22年を迎えた関空から、ピーチとLCCの秘密を探る旅へ出る。

◇第1章 誕生
◇第2章 拠点
◇第3章 ブランド戦略
◇第4章 パイロット
◇第5章 CA
◇第6章 整備
◇第7章 革新
◇第8章 運賃
◇第9章 自治体連携
◇第10章 展望、井上社長に聞く


第1章 誕生


◎「空飛ぶ電車」感覚
 2016年8月20日午前7時前。LCCのピーチ・アビエーションが使う関西空港の第2ターミナルが人波で埋まった。「ちょっとそこまで買い物に行く」といった風のサンダル履きやTシャツ姿の若い人が目立つ。兵庫県尼崎市の飲食店経営の男性(67)は石垣行きを待っていた。沖縄・波照間島に釣りに行く。チケットは往復約2万円。「5月に行った時は1万2千円ほど。安いから気軽に使える」
 ピーチの初便が飛び立ったのは12年3月。当時は福岡と新千歳への2路線だったが、大手の半額ほどの運賃で急成長。4年半たち国内線14、国際線10に拡大し、16年11月には上海線も開設する。15年度の搭乗率は86・7%にのぼり、累計搭乗者は16年4月、1300万人に達した。
 15年度の関空の旅客は過去最多の約2400万人で、1日約6万5千人。ピーチの関空発着便は現在1日1万人超を運んでいる。
 だが、立ち上げ前の評判は高くなかった。日本は人件費や空港の着陸料がかさみ、安さを売りにするLCCにとってコスト削減のハードルは高いとされた。お盆を過ぎてもにぎわう今のターミナルからは想像できないが、当時の関空は閑古鳥が鳴いていた・・・

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ピーチはなぜ独り勝ちできたのか ゼロから始めたLCC創業物語
216円(税込)

「3年以内にLCCを立ち上げて、アジアの流動を取り込め」――。ANAホールディングスを筆頭株主に持ち、関西国際空港を拠点に急成長を遂げている格安航空会社(LCC)、ピーチ・アビエーション。その出発点は、全日空社長(当時)のそんな一言だった……。2015年、日本の国際線旅客数に占めるLCCの割合は13・5%、国内線も10%になり、初めて2桁に到達した(国土交通省調べ)。「LCC元年」の12年はあわせて500万人に満たなかったが、3年で1800万人を超えた。気軽な足として定着したLCCの中でも、ピーチが著しい成長を遂げている。なぜだろうか。開港22年を迎えた関空から、ピーチとLCCの秘密を探る旅へ出る。[掲載]朝日新聞(2016年9月4日〜9月18日、10100字)

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