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朝日新聞社

学生運動を朝日新聞はどう伝えたか 検証・昭和の朝日報道

初出:朝日新聞2010年1月8日〜2010年1月18日
WEB新書発売:2016年11月17日
朝日新聞

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 「商業マスコミは、自己批判しろ!」――。1968年は先進国の学生を中心に、世界中で若者が反乱を起こした熱い年だった。コロンビア大学封鎖、パリ5月革命、そして文化大革命。日本では、東大、日大を筆頭に、全国で「大学紛争」が燎原の火のように広がった。若者の反乱を、朝日新聞はどう伝えたか。「朝日ジャーナル回収問題」「赤衛軍事件」「歌声集会」「ベ平連」「ウッドストック」「内ゲバ」「東大入試中止」……。激動の時代への向き合い方を自己検証する。

◇第1章 なぜ先進国の学生が
◇第2章 「紛争」か「闘争」か
◇第3章 ジャーナル記者の蹉跌
◇第4章 ジーンズと、ベ平連
◇第5章 自壊への道
◇第6章 何が残ったか


第1章 なぜ先進国の学生が

 日本、ドイツ、アメリカの1968(昭和43)年をテーマにした国際シンポジウムが2009年3月、ベルリンであった。68年は先進国の学生を中心に若者が同時多発的に反乱を起こした年だ。飢餓や貧困をほぼ克服した先進国の若者が、なぜ過激な運動に走ったか。40年を経た今日、世界的に68年を振り返る機運がある。日本でも09年、歴史社会学者の小熊英二(47)の大著『1968』が出版され、反響を呼んだ。
 ベルリンでのシンポに参加した中央大准教授井関正久(ただひさ)(40)は、日本では運動の当事者は沈黙しがちなのに対し、「ドイツでは元活動家が積極的に語り続けている。若い世代の関心が非常に高いのも特徴的だ」と話す。
 1968年、世界は激動していた。
 1月、南ベトナム民族解放戦線「テト攻勢」▽4月、米キング牧師暗殺、西ベルリンで学生運動指導者が狙撃される、米コロンビア大学で学生が学内を占拠▽5月、パリ大学で学生と警官が衝突、労働者を巻き込みゼネストに(5月革命)▽8月、ソ連軍がチェコ侵入▽10月、文化大革命中の中国で劉少奇・国家主席失脚
 西ドイツでは前年に学生が警官に射殺されて以来、デモが広がっていた。ところが朝日は当初、「ヨーロッパの学生運動は、日本などとくらべると、政治的な色彩が薄いようだ」(68年2月17日夕刊)という程度の認識だった。・・・

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学生運動を朝日新聞はどう伝えたか 検証・昭和の朝日報道
216円(税込)

「商業マスコミは、自己批判しろ!」――。1968年は先進国の学生を中心に、世界中で若者が反乱を起こした熱い年だった。コロンビア大学封鎖、パリ5月革命、そして文化大革命。日本では、東大、日大を筆頭に、全国で「大学紛争」が燎原の火のように広がった。若者の反乱を、朝日新聞はどう伝えたか。「朝日ジャーナル回収問題」「赤衛軍事件」「歌声集会」「ベ平連」「ウッドストック」「内ゲバ」「東大入試中止」……。激動の時代への向き合い方を自己検証する。[掲載]朝日新聞(2010年1月8日〜2010年1月18日、6600字)

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