世相・風俗
朝日新聞社

なぜ拒むの?女は答えを探した セックスレスの肖像〜つないだ手は

2017年01月12日
(11800文字)
朝日新聞

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 「結婚すればセックスレスじゃなくなると言ったけど、何も変わらないじゃない」「お前って頭の中はそればっかりだな。そんなにいうなら外ですればいい」。寝室に駆け込んだ。ベッドの上で涙があふれた。新婚3カ月目だった――。愛し合って結ばれたはずなのに、なぜ「レス」になってしまうのか。人にはなかなか言いづらい夫婦の事情をうかがってみました。若者、高齢者などを主人公に「性を通して変容する家族」を描いた長期シリーズ「つないだ手は」の一編を電子書籍化(2001年7月紙面掲載)。

◇第1章 なぜ拒むの、女は答えを探した/別れて気づいた。彼も苦しかったんだ、と。
◇第2章 いじめ体験、男は悩み続けた/やすらぎを望んだ。妻は肉親へと変わっていった。
◇第3章 「化石」になって思い封じた/よみがえる言葉。「女が物欲しそうにするな」
◇第4章 働き続けたい。余裕失った/開けぬ道にいらだち。「苦しさ気づいて」
◇第5章 夫に「トモダチ」といわれた/ネットは外への扉。妻でない「私」がいた。
◇第6章 まだ見ぬ子に「絆」求めた/治療を受け、気持ち和らいだ。
◇第7章 愛情、劣等感 言えなかった/今になって思う。逃げてはいけない。
◇[反響編] 読者の反響300通/素直な言葉、関係変えた
◇[朝日新聞社調査] 20〜50代のセックスレス夫婦、28%


第1章 なぜ拒むの、女は答えを探した/別れて気づいた。彼も苦しかったんだ、と。

 日差しが暖かい冬の休日だった。川崎市のマンション。遅い昼食が終わりかけた時、彼の携帯が鳴った。
 「友だちから。ちょっと出かけてくる」。そう言い残し、着替えに立った。
 後を追いかけた。
 「一緒にいられると思ったのに、なんで」
 「いつも一緒にいるじゃない。すぐ帰るから」
 彼の返事に突然怒りが込み上げた。つきあい始めたころは、愛し合っていたのに。今は一緒にいても抱いてくれるわけじゃない。
 「何を考えているのか分からない」
 彼の表情が変わった。みけんにしわを寄せ、ため息をついた。
 「結婚すればセックスレスじゃなくなると言ったけど、何も変わらないじゃない」
 「お前って頭の中はそればっかりだな。そんなにいうなら外ですればいい」
 寝室に駆け込んだ。玄関のドアが閉まる音が聞こえると、ベッドの上で涙があふれた。新婚3カ月目だった。
    ◇
 2年前、ゴールデンウイークの初日だった。箱根へ1泊2日の小旅行。出発の朝、期待と覚悟が交錯した。旅先で彼が求めてくるかも知れない。いつも通り何も起こらなければ離婚を切り出すかも。
 車が滑り出した直後、運転席で話しかけてきた。
 「ねえ、子どもつくろうよ」。驚いて返す言葉が見つからなかった。
 長い沈黙。
 長いセックスレスで、何を信じていいのか分からなくなっていた。彼の言葉を素直に受け取れなかった。「この人は、女を捨てさせて、いきなり母親になることを求めようとしている」。でも、初めて2人の将来を考えてくれた気がしてうれしかった。
 森に囲まれたコテージ。夕食を終え、2人はベッドに寝ころんでテレビを見ていた。その気配はない。しびれを切らし体を寄せた。すると、彼は「胃が痛い。かぜをひいたかも知れない」と拒んだ。
 また裏切られた。「もうだめ」。涙がこぼれた。

    ◇
 白いメモ用紙にボールペンで書いてみた。私は32歳。半年で33歳になる。40歳までに子ども2人は欲しい。タイムリミットは35歳。
 あまり時間はない。
 3度目の結婚記念日が近づいた9月。髪をとかしながらドレッサーの鏡に映った彼に、切り出した・・・

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なぜ拒むの?女は答えを探した セックスレスの肖像〜つないだ手は
216円(税込)

「結婚すればセックスレスじゃなくなると言ったけど、何も変わらないじゃない」「お前って頭の中はそればっかりだな。そんなにいうなら外ですればいい」。寝室に駆け込んだ。ベッドの上で涙があふれた。新婚3カ月目だった――。愛し合って結ばれたはずなのに、なぜ「レス」になってしまうのか。人にはなかなか言いづらい夫婦の事情をうかがってみました。若者、高齢者などを主人公に「性を通して変容する家族」を描いた長期シリーズ「つないだ手は」の一編を電子書籍化(2001年7月紙面掲載)。(2001年7月4日〜7月11日、11800字)

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