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医療・健康
朝日新聞社

子どもがかかるインフルエンザ脳症 15%に後遺障害

初出:2016年12月26日〜12月30日
WEB新書発売:2017年2月2日
朝日新聞

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 年間100〜300人の子どもがかかるインフルエンザ脳症。死亡率は6、7%まで下がったが、それでも15%程度はまひや知的障害、てんかんなどの後遺障害が残る。5歳の時にインフルエンザ脳症で2週間近く意識不明になった12歳のはるなさん。脳が傷つき、動作や言葉がゆっくりになり、授業や友達の会話についていけないことが増えた。「はるなを助けてくれる応援団を増やしたい」。家族の思いや、予防法などを紹介する。

◇第1章 頭蓋骨いっぱい腫れた脳
◇第2章 3週間ぶり「マー、マー」
◇第3章 登園再開、遊びで戸惑う
◇第4章 「今」受け止め応援団作り
◇第5章 予防接種で減る重症化


第1章 頭蓋骨いっぱい腫れた脳

 「ままへ いつもいつもおいしいごはんをつくってくれてありがとう。これからもおりょうりがんばって」
 川崎市の小学6年、川端(かわばた)はるなさん(12)は、大きな字がおどる手紙を、母ちあきさん(42)によく書いて渡す。
 5歳の時、インフルエンザ脳症にかかり、2週間近く意識不明に。脳が損傷し、動作や認知の機能が衰える高次脳機能障害と診断された。そのため、今も動作や会話が少しゆっくりだ。「話すのが苦手な代わりに、手紙で気持ちを伝えてくれる」と、ちあきさん。
 はるなさんが脳症になったのは富山市に住んでいた2009年11月。新型インフルエンザが流行し、通っていた幼稚園が休園になっていた。7日の夕方、テレビ番組の音楽に合わせて踊っていたはるなさんが「あたま、いたーい」と言い出した。
 その晩、小児科医院でインフルエンザの検査をすると「陰性」だった。翌8日、熱は40度まで上がったが、別の医療機関でも「陰性」。この日、はるなさんは脈絡のない話を突然し始めた。「懸垂ができるようになったんだ」「○○ちゃんがね、うふふふ」。ちあきさんは「この子、どうしちゃったんだろう」と戸惑った・・・

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