世相・風俗
朝日新聞社

なんとなくシングル 彼女が結婚しない理由

2017年02月02日
(13400文字)
朝日新聞

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「あなた、遊ばれてるのよ。いつか捨てられるってことがわからないの」。電話口で母親のかん高い声が響いた。あまりの言葉に涙が止まらなかった――。結婚ってなんだろう、家庭ってなんだろう、子供を産み育てるってなんだろう、幸せってなんだろう。恋愛、不倫、同棲、浮気、離婚、見合い、女性だけの共同生活、男と女の友情、マンション購入、セカンドシングル、シングルマザーなどをテーマに、自分らしい生き方を求めて模索するシングル女性たちを描いて大きな話題を呼んだ、1993年の連載「なんとなくシングル」を電子書籍化しました。

◇第1章 結婚ってなに? 「赤い糸」感じるけれど
◇第2章 年下男症候群 若さのパワーにひかれ
◇第3章 女同士は楽 男に縛られず共同生活
◇第4章 オフィスの彼 既婚の相手とクールに
◇第5章 仕事に生きて 遊びや勉強もしっかり
◇第6章 家も縁、男も縁 マンション買い、貯金し
◇第7章 セカンドシングル 男性への見方も変わった
◇第8章 この子とともに 「父親」いなくても幸せ
◇第9章 読者の反響


第1章 結婚ってなに? 「赤い糸」感じるけれど

 「私のことなんて、どうでもいいんだわ」。今年の五月連休中も麻子さん(四三)は落ち込んだ。休みになると彼と会えなくなる。彼は広告代理店に勤める十歳上の妻子あるサラリーマン。土日や連休はいつも家庭優先だ。
 麻子さんは、大手企業の広報担当。大学を卒業後、マスコミ関係に数年勤め、今の会社に転職した。社内報の編集や企業PRビデオの製作などを担当するベテラン。年収約一千万円。
 都内に老父母と同居し、「少しでも元気なうちに結婚してくれ」といわれている。彼も「同じ墓に入りたいね」といってくれるが、家庭をこわしてまで彼を奪う気にはなれない。
 振り返れば、大学時代の同級生と結婚するのが自然だったのかな、と思う。だが、商社に就職した彼は二年後に海外駐在に。離ればなれになり、二人の心は次第に遠ざかっていった。
 三十歳をすぎたころ二度目のチャンスがあった。相手は一歳上のエンジニア。特別好きでもなかったが、「三高」の条件は満たしていたし、世間体もあって結婚を考えた。が、お酒を飲むと「女は飲むもんじゃない」と型にはめようとする。結局、別れた。
    ◇
 今の彼とは五年前、仕事を通じて知り合った。「人間、見えと意地がなくなったら終わりさ」というプライドの高さにひかれた。
 二人とも仕事が忙しく、一緒に食事ができるのは金曜の夜くらい。そのとき一週間分の出来事や仕事の悩みを彼に話す。それが、この五年間麻子さんの心の支えになってきた。「赤い糸で結ばれている」と感じることもある。年に二、三度の一泊二日の小旅行を楽しむ。今年は一月末に横浜へ行った。ベイブリッジをドライブし鎌倉にも足を延ばした。「たった一日だけど、別々の場所に帰らなくていいのがうれしかった」
 「奥さんに洗濯とか任せちゃって、あなたは彼のきれいな部分だけ見ていればいいのよ」と友人はいう。そうかな、と思う。「仕事もおもしろいし、結婚した人とは別の生き方を楽しんできました。でも、結婚して子供を産み家族をつくるのが人間の真理なのよね、悔しいけど・・・

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なんとなくシングル 彼女が結婚しない理由
216円(税込)

「あなた、遊ばれてるのよ。いつか捨てられるってことがわからないの」。電話口で母親のかん高い声が響いた。あまりの言葉に涙が止まらなかった――。結婚ってなんだろう、家庭ってなんだろう、子供を産み育てるってなんだろう、幸せってなんだろう。恋愛、不倫、同棲、浮気、離婚、見合い、女性だけの共同生活、男と女の友情、マンション購入、セカンドシングル、シングルマザーなどをテーマに、自分らしい生き方を求めて模索するシングル女性たちを描いて大きな話題を呼んだ、1993年の連載「なんとなくシングル」を電子書籍化しました。(1993年5月26日〜6月5日、13400字)

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