世相・風俗
朝日新聞社

主婦っていったいなんだろう 檻を抜け出した女と男の奮闘記

初出:朝日新聞2005年10月31日〜11月11日
WEB新書発売:2017年3月16日
朝日新聞

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結婚した女は、家庭に入り、育児や家事に専念すべき、外に出て働くなど、とんでもない……かつて、そんな時代があった。檻に閉じ込められた女たちは、やがて声を上げ、小さな流れが、大きな奔流となって社会を変え始めた。女も、男も、育児や家事、そして仕事も平等にわかちあい、自分を活かせる。そんな社会を目指した人々の奮闘記。2005年10月〜11月に9回に分けて連載された「ニッポン人脈記 主婦ってなに?」を電子書籍にしました。

◇第1章 「外へ出る夢」追い求め
◇第2章 重荷にならぬ子育てへ
◇第3章 泣く母と泣く子に泣く 介護の担い手、地域に
◇第4章 しゃもじ掲げ、街へ広場へ
◇第5章 「主夫」ってけっこう忙しい
◇第6章 読者から節約カリスマに
◇第7章 アジアからの風、家庭へ
◇第8章 暮らしの実感、常識覆す
◇第9章 悩み、夫と根気よく話す


第1章 「外へ出る夢」追い求め

 「終わったら抜け殻」「思い出しては涙ぐむ」……。
 5月末から2カ月間、平日午後1時半からTBS系で放映された「ヤ・ク・ソ・ク」。ホームページは主婦たちの熱烈な書き込みであふれた。南野陽子演じる主婦と、ヤン・ジヌ演じる年下の韓国青年の不倫を描いた「和製韓流ドラマ」である。10%弱と「昼メロ」としては高い視聴率。コミックや小説も出て、今月発売のDVDは売り切れが相次いだ。
 放映のきっかけは、毎日放送プロデューサーの登坂琢磨(とさかたくま)(41)が、ノンフィクション作家の石川結貴(いしかわゆうき)(43)と飲んだこと。テレビには働く若い女性向けのドラマばかり。「主婦がリアリティーを感じられるドラマを」と、石川は訴えた。
 「メディアが描くのは家事が得意なステキな奥さんか、不倫の好きなスケベな奥さんか。生身の主婦はそうじゃない」。そう言う石川には、痛切な体験がある。
 大学を出てまもなく、自営業の夫と結婚して専業主婦に。80年代のバブル経済の下、「主婦も簡単に自立できる」との記事やCMがあふれていた。ところが夫とけんかをし、勢いで幼児2人をつれて家を出ると、不動産屋を何軒回ってもアパートを借りられない。相談できたのは夫の友人だけ。アドバイスは「主婦では無理。ご主人の名で申し込みなさい」。
 30歳近くになって部屋ひとつ借りられない? 主婦ってなに? 足元が崩れていくようだった。夫に泣きついて、家に戻った。
 「主婦の本当の姿を知ってほしい」。石川は、主婦仲間の回覧ノートや投稿誌「わいふ」に、一見「お気楽」にみえる主婦の悩み、憂鬱(ゆううつ)を書きつづった。それが雑誌「SPA!」の目にとまり、97年、「ブレイク・ワイフ」(扶桑社)の連載が始まる・・・

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この記事の続きは、WEB新書でお読みいただけます。

主婦っていったいなんだろう 檻を抜け出した女と男の奮闘記
216円(税込)

結婚した女は、家庭に入り、育児や家事に専念すべき、外に出て働くなど、とんでもない……かつて、そんな時代があった。檻に閉じ込められた女たちは、やがて声を上げ、小さな流れが、大きな奔流となって社会を変え始めた。女も、男も、育児や家事、そして仕事も平等にわかちあい、自分を活かせる。そんな社会を目指した人々の奮闘記。2005年10月〜11月に9回に分けて連載された「ニッポン人脈記 主婦ってなに?」を電子書籍にしました。(2005年10月31日〜11月11日、15200字)

    スマートフォン、タブレットでも読めます。

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