経済・雇用
朝日新聞社

観光は闘いだ 孤立無援のカリスマたち

2017年03月30日
(5100文字)
朝日新聞

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 「観光」を取り巻く状況は一変した。政府は「観光先進国」を掲げ、「インバウンド」という言葉も最近よく耳にする。しかし、戦後の日本経済は長らく輸出で外貨を稼ぐのが柱で、旅行客の観光などは二の次だった。時代は変わっているのだが、なかなか頭は切り替わらない。高度成長期の社員旅行を念頭に置いたような日本の観光地の風景が変わるのにも時間がかかる。時代を切り開いて来た「観光カリスマ」たちの取り組みを追った。

◇第1章 骨太に、平和へのパスポート
◇第2章 飲み、育ち「わくわく楽しく」
◇第3章 偶然・文化・ビジネスのさじ加減
◇第4章 酒飲ませても、資本の魔力


◇第1章 骨太に、平和へのパスポート


 「観光先進国になろう。観光を基幹産業にしよう」。政府は2016年3月、こんなビジョンを作った。観光を物見遊山と軽く考えがちな日本で、本当にできるだろうか。
 そう思って、各地を歩いてみた。とっかかりは「観光カリスマ」と呼ばれる人たちだ。内閣府や国土交通省が中心になって全国から選んだ。
 彼ら彼女ら一人ひとりは、それぞれが置かれた条件のなかで苦闘している。一見ばらばらな経験の集積から、なにか共通して見えてくるものはないだろうか。彼ら彼女らをつなぐものはなんだろう。
 東京の下町、台東区谷中にある澤功(79)の「旅館澤の屋」は「元祖インバウンドの宿」といっていい。海外のお客が引きも切らない。始まりはどん底でのイノベーションだった。
 新潟に生まれ、東京の大学を出て銀行に就職した。東京五輪が開かれた1964年、取引先の紹介で旅館の娘と結婚、経営を継いだ。高度成長時代は修学旅行や出張客でにぎわった。しかし、石油危機を経て80年代になると閑散としてしまい、82年夏には3日間、一人の客も来なかった。・・・

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観光は闘いだ 孤立無援のカリスマたち
216円(税込)

「観光」を取り巻く状況は一変した。政府は「観光先進国」を掲げ、「インバウンド」という言葉も最近よく耳にする。しかし、戦後の日本経済は長らく輸出で外貨を稼ぐのが柱で、旅行客の観光などは二の次だった。時代は変わっているのだが、なかなか頭は切り替わらない。高度成長期の社員旅行を念頭に置いたような日本の観光地の風景が変わるのにも時間がかかる。時代を切り開いて来た「観光カリスマ」たちの取り組みを追った。[掲載]朝日新聞(2017年2月6日〜2月9日、5100字)

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