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朝日新聞社

生きづらい人間は革命家になるしかない 人生を変えた「一語一会」

初出:朝日新聞2015年10月29日、2016年6月2日、11月10日、2017年4月6日
WEB新書発売:2017年4月20日
朝日新聞

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「毛沢東だって最初は無名、無一文だった。生きづらい人間は、革命家になるしかないんだ」――。リストカットを繰り返していた作家、雨宮処凛さんの生き方を変えたのは、師とあおぐ故・見沢知廉さんのこの一言だった……。一つの言葉が人生を、歴史を変えてしまうことがある。そんな「言葉」のちからを感じさせる体験を、5人の方々に語っていただきました。朝日新聞beの人気連載「一語一会」から収録。

◇第1章 貧乏から逃げてはいけない。味わうんだよ(作家・ドリアン助川さん)
◇第2章 あなたは勉強が足りない(作家・大野更紗さん)
◇第3章 生きづらい人間は、革命家になるしかない(作家・活動家、雨宮処凛さん)
◇第4章 死にゃあしない(プロ格闘ゲーマー・梅原大吾さん)


第1章 貧乏から逃げてはいけない。味わうんだよ(作家・ドリアン助川さん)

高校時代の友人からの言葉

 元ハンセン病患者を通して生きることの意味を問う小説「あん」。樹木希林さん主演で映画化もされ、今春公開された。
 「30年後、50年後、自分が死んだ後の子どもたちにも読んでほしい」。そんな思いで書いた。そんな心境になったのは、「あん」までの苦節の10年があったからだという。
 大学で劇団を立ち上げ、卒業後、放送作家に。バンド「叫ぶ詩人の会」が注目されたが、1999年に解散。渡米して新バンドを結成、3年後、バンドと一緒に帰国したが、仕事の依頼は来なくなっていた。
 バンドデビューのめどはたたず、朗読と音楽のライブも不振。約40冊の本を出しても、ほとんどが初版だけ。娘が中学から大学の時期で学費は払えたが、生活は苦しかった。
 そんな時、高校時代の友人の言葉がいつも心にあった。芸術家志望の友人とは本を読み、議論した。人間とは、戦争とは……。ある日、友人がこう言った。「お前は体制の中でうまくやっていくだろうが、僕は違う。大切なことは、お金がある時も、ない時も、それを味わって生きること。貧乏から逃げてはいけない。味わうんだよ」
 そうか、味わってやろう。とは言っても、どうやって味わうか。家賃を抑えるために引っ越したアパートにいると息が詰まり、よく川沿いを自転車で走った。そんな時、河原に咲く何千本というコスモスが目に入った。「本当は揺れていただけだけど、自分に手を振ってくれているように見えた。おまえを同じ生命として応援しているよ、と・・・

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生きづらい人間は革命家になるしかない 人生を変えた「一語一会」
216円(税込)

「毛沢東だって最初は無名、無一文だった。生きづらい人間は、革命家になるしかないんだ」――。リストカットを繰り返していた作家、雨宮処凛さんの生き方を変えたのは、師とあおぐ故・見沢知廉さんのこの一言だった……。一つの言葉が人生を、歴史を変えてしまうことがある。そんな「言葉」のちからを感じさせる体験を、5人の方々に語っていただきました。朝日新聞beの人気連載「一語一会」から収録。(2015年10月29日、2016年6月2日、11月10日、2017年4月6日、5500字)

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