政治・国際
朝日新聞社

老いる巨龍 年50万人が行方不明の中国高齢化社会

初出:朝日新聞2016年12月15日、2017年1月19日、2017年2月23日
WEB新書発売:2017年4月20日
朝日新聞

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経済発展の道をひたすら走り、負担となる人口の抑制を厳しく行ってきた大国・中国が、その道のりの必然の結果とも言える「国の老い」を迎えつつあります。その渦中で起きている事件を通して、少子高齢化の大波に翻弄(ほんろう)される社会と人々の姿を伝えます。

◇第1章 「空巣老人が行方不明に」 中国、消える高齢者たち
◇第2章 2人目は産みたくない 「国の老い」急激に進む中国
◇第3章 高齢者8人を殺した家政婦「早く給料ほしかった」 中国


第1章 「空巣老人が行方不明に」 中国、消える高齢者たち

 「尋人:段連堂老人、90歳、今日の昼1時に大王荘積善里で行方不明になりました…」
 「網友(ネット仲間)たちの助け求む:趙宗銀、女、83歳、宜賓永興の方言があり…」
 「緊急尋人! 昨日午後4時過ぎ、方荘橋で行方不明になりました。名前は劉光彩、74歳、身長は1メートル72センチぐらいで…」
 これらは、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」に書き込まれた、行方不明の高齢者たちを捜すメッセージだ。
 ほとんどが、親族、知人や各地の警察署などが発信したもので、数え切れないほどある。高齢者が姿を消すという「事件」が、全国で発生していることがわかる。
 中国では通常、60歳以上を高齢者としているが、実はいま、1年間に約50万人、1日平均約1370人もの高齢者が行方不明になっている。中国紙が伝えたもので、今年10月に民政省傘下の中民社会救助研究院などが発表した「中国高齢者行方不明状況白書」で明らかになった。認知症や精神疾患、介護の不備などが主な原因だという。
 冒頭に紹介した90歳の男性を捜すメッセージでは、男性の写真と共に、次のような家族の訴えが続く。
 「紺色のジャンパーを着て帽子をかぶっています。時々、わけがわからないことを言います。警察に通報し、普段行く場所はみんな捜しました。いなくなってもう10時間になります。無事でいてくれることを祈っています・・・

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老いる巨龍 年50万人が行方不明の中国高齢化社会
216円(税込)

経済発展の道をひたすら走り、負担となる人口の抑制を厳しく行ってきた大国・中国が、その道のりの必然の結果とも言える「国の老い」を迎えつつあります。その渦中で起きている事件を通して、少子高齢化の大波に翻弄(ほんろう)される社会と人々の姿を伝えます。(2016年12月15日、2017年1月19日、2017年2月23日、8000字)

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