経済・雇用
朝日新聞社

旭山動物園は何が違うのか 起死回生を実現した14枚のスケッチ

初出:朝日新聞2017年1月3日〜1月9日
WEB新書発売:2017年4月27日
朝日新聞

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 日本最北の動物園、旭山動物園は2017年夏、開園から50周年を迎える。動物を本来のいきいきした姿のまま見せる「行動展示」で知られ、年間150万人が訪れる人気施設だ。しかし、その道程は、決して生やさしいものではなかった。難航した開園、伸び悩む入園者数、やがて訪れる閉園の危機、「理想の動物園」を追い求める中で描かれた「14枚のスケッチ」……今も国内外から大きな注目を集める先進的動物園の「これまで」と「これから」を探った。

◇第1章 行動展示、生んだ14枚のスケッチ
◇第2章 「動物ファースト」野生尊重
◇第3章 常識破って「命を伝える」
◇第4章 生態系守る、園の枠超えて
◇第5章 園の魅力、伝える応援団


第1章 行動展示、生んだ14枚のスケッチ

 深さ約3メートルのプールで、カバが優雅に水中を舞う。カバが近づくと、女性たちが「来た、来た!」と声をあげ、一緒に写真に納まろうとポーズを取っていた。
 東京から来た30代のカップルは「カバのイメージと全然違う」「期待を裏切りませんね」と喜んだ。
 ペンギンは水中トンネルの周りを飛ぶように高速で泳ぎ回り、アザラシは体を伸ばして垂直の円柱水槽を通り抜けていく。動物たちが躍動する姿に大人も子どもも歓声をあげる。


 日本最北の動物園、旭山動物園は半世紀前の1967年、旭川市東部の旭山(標高295メートル)を切りひらいてオープン。約15万平方メートルの敷地で約110種類の動物が飼育されている。
 動物本来の生き生きとした姿を見せる手法で、国内外から見物客を呼び込む。入園者数は一時、年間300万人を超え、今も年間150万人以上が訪れる人気ぶりだ。
 その道のりは苦難の連続だった。高度成長期に全国で動物園建設が推進され、旭川市でも計画が浮上。だが市議会は保守と革新の対立で紛糾し、動物園の事業費を盛り込んだ予算案は委員会で否決され、本会議で辛くも可決された。
 開園後も娯楽の多様化などで入園者数は伸び悩む・・・

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旭山動物園は何が違うのか 起死回生を実現した14枚のスケッチ
216円(税込)

日本最北の動物園、旭山動物園は2017年夏、開園から50周年を迎える。動物を本来のいきいきした姿のまま見せる「行動展示」で知られ、年間150万人が訪れる人気施設だ。しかし、その道程は、決して生やさしいものではなかった。難航した開園、伸び悩む入園者数、やがて訪れる閉園の危機、「理想の動物園」を追い求める中で描かれた「14枚のスケッチ」……今も国内外から大きな注目を集める先進的動物園の「これまで」と「これから」を探った。(2017年1月3日〜1月9日、6500字)

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