経済・雇用
朝日新聞社

女優になれるトイレ 化粧直しからLGBT配慮までトイレ革命30年

初出:朝日新聞2016年11月10日〜11月12日
WEB新書発売:2017年4月27日
朝日新聞

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 「コンセプトは『誰もが女優』です」――。2014年、東京、吉祥寺にオープンしたショッピングセンターに、ユニークなトイレが誕生した。鳥かごのような囲いがあり、周りの目を気にせずにメイクに集中できる。「ここでパウダーをたたくと若返った気がする」と70代の女性。トイレが、施設の魅力を高める大切な要素になっているのだ。毎年、11月10日はトイレの日。「いいトイレ」の語呂合わせで、日本トイレ協会が86年に定めた。それから30年たち、「汚い、臭い、暗い、怖い」などと言われた街中のトイレは、快適に様々な配慮が行き届くよう進化を遂げてきた。その過程をたどり、これからを見通す。

◇第1章 女性客いざなう切り札 鳥かご風「誰もが女優に」
◇第2章 男性もくつろげる空間 眺望・身だしなみコーナー
◇第3章 「だれでも快適」めざす LGBT・外国人にも配慮


第1章 女性客いざなう切り札 鳥かご風「誰もが女優に」

 大人の背丈ほどある、鳥かごのような囲いに入ると、姿見と丸椅子が1脚。
 2014年春、吉祥寺駅に開業したショッピングセンター「キラリナ京王吉祥寺」5階の女性用トイレにあるパウダーコーナーだ。囲いで“個室”を演出し、周りを気にせずゆったりと化粧直しをしてもらう。
 「コンセプトは『誰もが女優』です」と同店営業担当の御幸(ごこう)恵里さん(32)。音楽が流れる78平方メートルの空間に、鳥かご式が三つ。ほかに、親子や友人と並んで化粧できたり、立って手早くできたりするコーナーもそろう。
 化粧直しに来た高校3年生は「周りが目に入らなくていい」と話す。調布市の70代女性は「ここでパウダーをたたくと若返った気がする」と、吉祥寺に来るたびに立ち寄るという。
 「お気に入りのトイレがある施設には、人が来て滞在してくれる」。設計した「ゴンドラ」代表の小林純子さん(72)はそう話す。「利用者が求めるものはどんどん高くなっている」
 1988年開通の瀬戸大橋たもとの5億円かけた公衆トイレを設計後、同社を設立。「トイレで食べていけるのか」と心配されたこともある。「リーマン・ショックを経ても食べていけている。それだけ人間の根源的なことだということでしょう・・・

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女優になれるトイレ 化粧直しからLGBT配慮までトイレ革命30年
216円(税込)

「コンセプトは『誰もが女優』です」――。2014年、東京、吉祥寺にオープンしたショッピングセンターに、ユニークなトイレが誕生した。鳥かごのような囲いがあり、周りの目を気にせずにメイクに集中できる。「ここでパウダーをたたくと若返った気がする」と70代の女性。トイレが、施設の魅力を高める大切な要素になっているのだ。毎年、11月10日はトイレの日。「いいトイレ」の語呂合わせで、日本トイレ協会が86年に定めた。それから30年たち、「汚い、臭い、暗い、怖い」などと言われた街中のトイレは、快適に様々な配慮が行き届くよう進化を遂げてきた。その過程をたどり、これからを見通す。(2016年11月10日〜11月12日、4400字)

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