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朝日新聞社

ギンザシックスと銀座の進化 古くて新しい「銀ブラ」の尽きない魅力

初出:朝日新聞2017年3月9日、3月16日、3月23日、3月30日
WEB新書発売:2017年4月27日
朝日新聞

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 2017年4月20日、日本を代表する商業地、銀座に新たな顔が加わった。閉店した松坂屋銀座店跡地に完成した複合施設「GINZA SIX(ギンザ シックス)」だ。地上13階、地下6階で、1フロアの面積は都内最大級。地下に能楽堂、屋上には庭園を備え、オープン前から話題を集めていた。伝統と革新の融合が魅力の一つとされる銀座は、新参者をどう迎え、どう変えたのか。変化する銀座を代表する「ソニービル」「伊東屋」「銀座プレイス」など他の施設の例なども踏まえ、時代とともに変わるもの、変わらないものを見つめた。

◇第1章 伝統に革新の1ピース
◇第2章 「縦の銀ブラ」公園に発想残し
◇第3章 人を引き寄せる、老舗の輝き
◇第4章 愛ゆえに、風格も、にぎわいも


第1章 伝統に革新の1ピース

 伝統と革新の融合――。日本を代表する商業地・銀座は、しばしばこんな言葉で語られる。
 メインストリートの中央通り(銀座通り)に姿を現した複合施設「GINZA SIX(ギンザシックス)」。この銀座最大級の再開発もそんな歴史の一ページに刻まれるのかもしれない。


 2月1日の完成式典。設計者を代表して谷口吉生さん(79)が壇上に立った。国内外の著名な美術館や博物館を手がけた建築家は、率直に言った。
 「銀座の歴史を継承しながら、いかにこの新しいビルをはめ込んでいくかということに、大変苦労いたしました」
 発端は2003年、松坂屋(当時)と森ビルが地元に説明に訪れた時にさかのぼる。松坂屋銀座店跡地など2街区を一体化する、従来にない大規模な再開発計画。高さ200メートル近い超高層を建てる案もあった。
 「いきなり超高層なんて驚いた」。町内会や商店会などからなる全銀座会の会長、遠藤彬さん(73)=ハツコエンドウウェディングス社長=は振り返る。
 銀座では1998年、建物の高さ制限を56メートルとする地区計画「銀座ルール」が導入されていた。老朽ビルを規制緩和で更新しやすくし、「銀ブラ」を楽しめる街を守る。地元と区の激しい議論の末の合意だった。
 だが超高層案は、2002年にできた都市再生特別措置法を活用するという。当時の「銀座ルール」には例外が認められ、大規模開発には抜け道があった。
 「超高層がいいのか、そうじゃない街がいいのか、銀座の民意を問おう」。遠藤さんらは考えた。全銀座会に銀座街づくり会議が設けられ、専門家らを招いたシンポジウムを重ねた。2年を超す議論の末、銀座の針路が見えてきた。
 06年、事業者が全銀座会の幹部らに再開発計画を説明した会合。老舗店の有力者が放った一言が、流れを決定づけた。
 「銀座は既存の建物の集まり。超高層ビルがここに必要かは疑問だ・・・

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ギンザシックスと銀座の進化 古くて新しい「銀ブラ」の尽きない魅力
216円(税込)

2017年4月20日、日本を代表する商業地、銀座に新たな顔が加わった。閉店した松坂屋銀座店跡地に完成した複合施設「GINZA SIX(ギンザ シックス)」だ。地上13階、地下6階で、1フロアの面積は都内最大級。地下に能楽堂、屋上には庭園を備え、オープン前から話題を集めていた。伝統と革新の融合が魅力の一つとされる銀座は、新参者をどう迎え、どう変えたのか。変化する銀座を代表する「ソニービル」「伊東屋」「銀座プレイス」など他の施設の例なども踏まえ、時代とともに変わるもの、変わらないものを見つめた。(2017年3月9日、3月16日、3月23日、3月30日、7100字)

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