政治・国際
朝日新聞社

トランポノミクスで何が起きているのか 現在進行形で総チェック

初出:朝日新聞2017年4月5日〜22日
WEB新書発売:2017年5月18日
朝日新聞

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トランプ米大統領の掲げる経済政策が、「トランポノミクス(Trumponomics)」と呼ばれて注目されています。大型減税やインフラ投資、規制緩和で景気を押し上げて雇用を増やし、貿易協定の見直しで貿易赤字を減らすと訴えています。金融市場では期待感から株価上昇などが起きていますが、これまでの動きはどうなっているのでしょうか? 日本や世界に与えつつある影響も踏まえて解説します。

◇第1章 減税・投資・規制緩和…
◇第2章 TPPってどうなるの?
◇第3章 日米の自動車貿易って不公平なの?
◇第4章 円高になるの? 円安になるの?
◇第5章 大型減税は本当にできるの?
◇第6章 どうしてインフラ投資を加速するの?
◇第7章 日米経済対話、何を話し合うの?
◇第8章 金融規制、緩めるの?
◇第9章 温暖化対策、どう見直すの?
◇第10章 医療保険改革や移民規制の行く末は?
◇第11章 国防費を1割も増やす狙いは?


第1章 減税・投資・規制緩和…

 「我々の政権は、製造業者が米国で容易に成長できるように日々働いている。雇用を減らす規制や米国産業の負担をかつてないほどに減らす」
 トランプ氏は3月末、国内製造業界の関係者らとの会合でそう訴えた。
 「米国第一」を掲げるトランプ氏は、大統領選で自らを支持した白人労働者の雇用増を最も重視し、「今後10年間で2500万人の雇用を生み出し、年4%成長に戻る」と強調する。昨年の成長率1・6%に比べて極めて高い目標だ。実現に向け、真っ先に掲げたのが大型減税だ。米国の法人税率は35%と先進国で最も高いとされ、大統領選中、15%に引き下げると訴えた。就任後は「15〜20%」としている。国内企業の流出に歯止めをかける考えだ。
 10年間で1兆ドル(約110兆円)のインフラ投資を行うことも公約した。
 規制緩和も進める。「政府の規制が米国経済に年2兆ドル(約220兆円)の負担となっている」と批判。オバマ前政権が進めた「金融規制強化法(ドッド・フランク法)」を見直す大統領令にも署名した。環境規制の撤廃でエネルギー産業の活性化も狙う。
 貿易赤字の削減にも強くこだわる。安い輸入品で国内産業が衰退し、雇用が奪われたと考えているからだ。最大の貿易赤字相手国の中国や、隣国のメキシコからの輸入品には高い税をかけると主張した。
 今後はより有利な条件が引き出しやすい二国間の貿易協定を結んでいく方針だ。日本など12カ国で合意した環太平洋経済連携協定(TPP)からは離脱を決定。カナダとメキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)も再交渉する。
 米国にとって日本は中国に次ぐ貿易赤字相手国。4月中旬の初の日米経済対話で、新たな二国間交渉を求めてくる可能性がある・・・

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トランポノミクスで何が起きているのか 現在進行形で総チェック
216円(税込)

トランプ米大統領の掲げる経済政策が、「トランポノミクス(Trumponomics)」と呼ばれて注目されています。大型減税やインフラ投資、規制緩和で景気を押し上げて雇用を増やし、貿易協定の見直しで貿易赤字を減らすと訴えています。金融市場では期待感から株価上昇などが起きていますが、これまでの動きはどうなっているのでしょうか? 日本や世界に与えつつある影響も踏まえて解説します。(2017年4月5日〜22日、11500字)

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