教育・子育て
朝日新聞社

LGBTの子供たち ありのままの自分を出したくて

初出:朝日新聞2017年3月23日〜4月3日
WEB新書発売:2017年5月25日
朝日新聞

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 女の子が好きかも――。愛知県に住む大学1年生のリィナがそう思い始めたのは、小学校高学年くらいからだった。オネエタレントがテレビに出ていると、「気持ち悪い」という家族。自分は一生、こうやって後ろ指を指されて生きていかないといけないのか。何度か自死が頭をよぎったこともある。「人生をリセットして、カミングアウトした状態で生きられたら楽だろうな」……。もやもやした気持ちを気兼ねなく話したい。そんな願いから始めたのが「名古屋あおぞら部」だ――。LGBTなど性的少数者の子どもたちは、どんな思いで学校生活を送っているのだろうか。「名古屋あおぞら部」に集う高校生たちに、それぞれの悩みや希望を聞いた。

◇第1章 ありのままを話したい
◇第2章 自分は一人じゃないと知った
◇第3章 「先生は先生」うれしかった
◇第4章 友の言葉に「存在していいんだ」
◇第5章 学ラン着る前日、投稿に思い込めた
◇第6章 性別って、2つだけなの?
◇第7章 少数者の生きづらさ、映画に
◇第8章 普通の人だと知ってもらいたい


第1章 ありのままを話したい

 LGBTなど性的少数者の子どもたちは、どんな思いで学校生活を送っているのか。当事者の大学生が主宰する「名古屋あおぞら部」に集う高校生らの姿を描く。(登場する人の名前は、原則として仮名にします)

 春風が吹く日曜日の昼下がり、名古屋市の繁華街近くにある公民館は、若者たちでにぎわっていた。12畳の和室で、30人ほどがクッキーを食べながら笑い合っている。
 えび、ふうか、ずんば、こうき……。一人ひとりが、「呼んでもらいたいあだ名」を書いたネームタグを首からぶらさげている。
 会の名称は「名古屋あおぞら部」。LGBTなど性的少数者がありのままの自分でいられる居場所を作ろうと、愛知県に住む大学1年生のリィナ(19)が昨年10月に始めた。月1回、週末の日中に開いている。
 高校生ら5人が集まったテーブルは、アイドルの話で盛り上がっていた。
 「うちは、(男性アイドルグループの)ジャニーズWESTの追っかけやってます。(メンバーの)桐山照史みたいになりたくて」。高校の卒業式を終えたばかりのミサキ(18)が言った。メガネをかけ、髪はショートカット。生まれつきの性は女性だが、自分を女性とも男性とも思っていない。ジーンズにトレーナーを合わせ、胸を平らにつぶすシャツを着ている。
 「うん、私もジャニーズ好き。友だちにもそう言ってるから、まず疑われない」。会を主宰するリィナが続けた。白いワンピースにクリーム色のジャケットをはおっている。恋愛の対象は、自分と同じ女性だ。
 「でも、何年か前にドラマで(嵐の)マツジュン(松本潤)と石原さとみがキスした時、『私のさとみに何するの!』って思っちゃって。もう後戻りはできないな、って思った・・・

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この記事の続きは、WEB新書でお読みいただけます。

LGBTの子供たち ありのままの自分を出したくて
216円(税込)

女の子が好きかも――。愛知県に住む大学1年生のリィナがそう思い始めたのは、小学校高学年くらいからだった。オネエタレントがテレビに出ていると、「気持ち悪い」という家族。自分は一生、こうやって後ろ指を指されて生きていかないといけないのか。何度か自死が頭をよぎったこともある。「人生をリセットして、カミングアウトした状態で生きられたら楽だろうな」……。もやもやした気持ちを気兼ねなく話したい。そんな願いから始めたのが「名古屋あおぞら部」だ――。LGBTなど性的少数者の子どもたちは、どんな思いで学校生活を送っているのだろうか。「名古屋あおぞら部」に集う高校生たちに、それぞれの悩みや希望を聞いた。(2017年3月23日〜4月3日、9000字)

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