教育・子育て
朝日新聞社

宇都宮高校・青春スクロール 憲法で対決する枝野幸男も船田元も

初出:朝日新聞2016年10月12日〜2017年1月18日
WEB新書発売:2017年6月1日
朝日新聞

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 「国会でのヤジなんて全然比べものにならない」。枝野幸男衆院議員(民進)は、栃木県の宇都宮高校出身。激しいヤジで知られる弁論大会で3連覇を果たした伝説の持ち主だ。枝野議員が民主党(当時)の憲法総合調査会長だった頃、自民党で憲法改正を推進していた船田元衆院議員も宇都宮高校出身。ほかにも、実業界などで活躍する多くの同高卒業生たちの青春を振り返る。

◇第1章 新訳でベストセラー 歴史小説で直木賞
◇第2章 歌手に作曲家に 音楽の第一線で活躍
◇第3章 料理人に国連職員に 海外の舞台で活躍
◇第4章 義俠心の校風、脈々 OBの功績に再び光
◇第5章 海洋や極地・宇宙に 熱血教師、人材育む
◇第6章 テレビの顔に定着 ヒット番組送り出す
◇第7章 美術部OB、光る個性 漫画家に指導者に
◇第8章 政治の世界に進出 与野党の要職で活躍
◇第9章 地元経済再生へ尽力 国際化めざし努力
◇第10章 サッカーで全国V 野球殿堂入り第一号
◇第11章 AIや数学で第一線 研究分野で実績
◇第12章 職種・地域ごとに同窓会 現役生の支援も


第1章 新訳でベストセラー 歴史小説で直木賞

 宇都宮高校(以下、宇高〈うたか〉)は1879(明治12)年、都賀郡薗部村(現栃木市)に栃木中学校として産声をあげた。3万4千人の人材が輩出、2019年には創立140周年を迎える。生徒指標は「和敬信愛」「質実剛健」「自律自治」など。県内高校を名実ともにリードする伝統校の、卒業生たちの青春を振り返る。


 宇高の卒業生には文芸の世界で活躍しているOBも少なくない。
 ドストエフスキーの大著「カラマーゾフの兄弟」の新訳がベストセラーとなったロシア文学者で名古屋外国語大学長の亀山郁夫(67、1967年卒)はオーケストラ部、演劇部と転々とした。中学校からシェークスピアにあこがれ、ハムレットを演じたかった。ところが仲間の演技を見て「けた外れにうますぎる」とあきらめた。
 死に対する恐怖につきまとわれ、その気持ちを表したエッセーが生徒会誌「瀧の原」に掲載された。「高校生特有のロマンチックな思いが満たされず、それが音楽や文学に向かった」と振り返る。何より、自分の内面をもさらけ出せる友人がいたのが救いになった。その友人とは弁護士で元日弁連副会長の木村謙(68、67年卒)。木村は水泳部で1年生の時から世界音楽大全集の楽譜を借りるクラシック通だった。「亀山とは3年で初めて同じクラスになってつきあいが始まった」。その絆は今も変わらない。


 作家の中村彰彦(67、68年卒)は小山市から電車で通学。入学時は大きな鎌を持たされ草刈りをさせられた。1年生の登下校の車中で古典を多く読んだ。国語の成績は常にトップクラス。世界史の授業は「大学でやるような哲学概論を教えていた。大学に入学してから宇高でやった時の授業の内容がわかった」と振り返る。図書館の充実した蔵書のお陰で年間300冊を読破。膨大な読書量は歴史の史料を読み込む原動力となり、数多くの歴史小説が生まれた。1994年に「二つの山河」で直木賞を受賞・・・

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宇都宮高校・青春スクロール 憲法で対決する枝野幸男も船田元も
216円(税込)

「国会でのヤジなんて全然比べものにならない」。枝野幸男衆院議員(民進)は、栃木県の宇都宮高校出身。激しいヤジで知られる弁論大会で3連覇を果たした伝説の持ち主だ。枝野議員が民主党(当時)の憲法総合調査会長だった頃、自民党で憲法改正を推進していた船田元衆院議員も宇都宮高校出身。ほかにも、実業界などで活躍する多くの同高卒業生たちの青春を振り返る。(2016年10月12日〜2017年1月18日、16400字)

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