科学・環境
朝日新聞社

LINE社長の「脱スマホ」論 異能集団の次世代ビジョン

初出:朝日新聞2017年1月30日
WEB新書発売:2017年6月15日
朝日新聞

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 「スピードと質は両立できる。知見がたまってミスの確率は減っている。だが、絶対に失敗していけないということはあり得ない。我々はチャレンジをやめない」――。全世界で2億1700万人が使うコミュニケーションアプリ「LINE(ライン)」社長の出沢剛さんは言う。大企業の仲間入りを果たし、これまで発揮したスピード感やベンチャースピリットを保てるのか、と問われてこう答えた。チャレンジする風土を支えるのは、様々な業種から集まってきた異能社員集団。そうした彼らが見つめる「次」のビジョンは何なのか。社長インタビューもまじえて深掘りする。

◇第1章 異能が集えば、成長曲線
◇第2章 LINE社長の「脱スマホ」論 IoT時代の構想を聞く


第1章 異能が集えば、成長曲線

 対話アプリ大手LINE(ライン)で働いていた嘉戸(かど)彩乃さん(31)に「社長にならない?」とメッセージが来たのは2016年1月だった。いっしょに格安SIM事業への進出を準備してきた取締役の舛田淳さん(39)から。入社1年での子会社LINEモバイル社長への抜擢(ばってき)に「はい。頑張ります」と答えた。
 格安SIMはスマートフォン利用料金を大手より安くするサービス。LINEの戦略商品だ。国内6600万のLINE利用者数はすでに国内スマホ利用者数を超えている。成長に向け、お得な格安SIMで従来型のガラケー端末からスマホへの切り替えを促す算段だ。同年9月に始まったサービスはLINEなどの通信料が無料になる。料金プランは三つに絞り、わかりやすさが受けている。
 元々通信会社にいたわけではない。慶大法学部を卒業し、08年に外資系投資銀行に。優秀な大学を出て、分析が得意という均質な人材ぞろい。転機はすぐ来た。同年のリーマン・ショックで沈んだ業界の担当が次々とクビになった。自身は残ったが、「分析ができても、市場次第でクビになる」と無力感を覚えた。
 そうした思いから、顧客と通信インフラの会社の設立に挑んだ。そこに目をつけたLINEのスカウトから、「異分野で活躍した色んな人が、尊敬し合って色んなことをしている」と誘われて入社。起業経験を買われ、格安SIM事業の立ち上げを任された。
 嘉戸さんはLINEに「なんて空気を読まない人ばかりなのだろう」との印象を持つ。中途入社ばかり。背景が違い、議論は活発。仕事も速い。例えばLINEモバイルのサービスは、週単位で改善する。日単位でキャンペーンを考えてきたスマホゲーム出身の社員の経験が業務のペースを速めた。「異能は才能」。今、嘉戸さんがLINEモバイル社員の採用方針で、第一に掲げる言葉だ・・・

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LINE社長の「脱スマホ」論 異能集団の次世代ビジョン
216円(税込)

「スピードと質は両立できる。知見がたまってミスの確率は減っている。だが、絶対に失敗していけないということはあり得ない。我々はチャレンジをやめない」――。全世界で2億1700万人が使うコミュニケーションアプリ「LINE(ライン)」社長の出沢剛さんは言う。大企業の仲間入りを果たし、これまで発揮したスピード感やベンチャースピリットを保てるのか、と問われてこう答えた。チャレンジする風土を支えるのは、様々な業種から集まってきた異能社員集団。そうした彼らが見つめる「次」のビジョンは何なのか。社長インタビューもまじえて深掘りする。(2017年1月30日、6900字)

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