社会・メディア
朝日新聞社

テレビはなぜ見られなくなったのか 「動画はスマホ」時代の大変動

初出:朝日新聞2017年6月7日〜21日
WEB新書発売:2017年6月29日
朝日新聞

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 近年、動画の視聴スタイルが激変しています。一昔前であれば「テレビの前」が主だったのに、今ではスマートフォンで簡単に見ることができます。「番組」をネット配信する事業者は多様化し、視聴者の奪い合いが激しくなっています。岐路に立つテレビ局も、ネットへの進出を加速させています。変わる放送業界の最新の動きをまとめました。

◇第1章 変わる習慣、動画はスマホ
◇第2章 若者に影響力、ユーチューバーって?
◇第3章 自分好みの動画を「おすすめ」?
◇第4章 番組、動画配信に移っていくの?
◇第5章 動画配信、テレビ局の強みは?
◇第6章 「ネット同時配信」実現はいつ?
◇第7章 番組の同時配信、著作権の扱いは?
◇第8章 地方局も独自番組を配信しているの?


第1章 変わる習慣、動画はスマホ

 2017年5月初旬、買い物客らでにぎわうJR秋葉原駅前。高校3年のカップルが、一つのスマホをのぞき込み、一般人が投稿したゲームの動画を見ていた。
 「いつ、どこにいても、スマホなら好きな動画を何回でも見られる」と女子高生(17)。小さい頃はアニメをよく見たが、最近自分からテレビをつけることはほとんどなくなった。
 情報通信白書によると、2015年の10代のテレビ視聴(リアルタイム)の平均時間は平日が約1時間半、休日が約2時間半。それに対し、SNSやオンラインゲームなどを含むネットの平均利用時間は平日が約1時間50分、休日が約3時間40分と、いずれもテレビの視聴時間を上回る。
 男子高生(17)は小学生の頃、「エンタの神様」などテレビのお笑い番組を見ては友達とネタをまねたものだった。今はトーク中心のバラエティー番組ばかりだと感じ、興味を失った。「家でテレビがついていても、ただのBGM」。家でもスマホで動画を見ることの方が多い。学校では、「布教」と称してお薦めの動画を見せ合う。「テレビの前に座らなくても、動画を持ち歩ける時代。仲間と面白い動画を共有するのも楽しい」
 テレビ離れは子育て世代にも広がる。3人の子供がいる神奈川県の甘粕亜由美さん(35)は、YouTube(ユーチューブ)に動画投稿する「ユーチューバー」の映像を1年ほど前から見はじめた。小学生の息子が見ているのを知り、関心を持った。「好きな人の動画をずっと見られるし、少し見て変えられるのもいい」。台所で皿洗いや料理中に、風呂で入浴中に見ることもある。
 甘粕さんはかつて「テレビっ子」だった。小学生の時は家族そろってテレビを見ていた。中学生の娘はテレビ好きだが、息子2人は投稿動画。視聴習慣はばらばらだ。「さびしく思うこともある」。せめて食事の時には集まって、会話に努めるようにしている・・・

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この記事の続きは、WEB新書でお読みいただけます。

テレビはなぜ見られなくなったのか 「動画はスマホ」時代の大変動
216円(税込)
  • 著者野村杏実、湊彬子、上栗崇、奥田貫、滝沢文那、小峰健二、日浦統
  • 出版社朝日新聞社
  • 出版媒体朝日新聞

近年、動画の視聴スタイルが激変しています。一昔前であれば「テレビの前」が主だったのに、今ではスマートフォンで簡単に見ることができます。「番組」をネット配信する事業者は多様化し、視聴者の奪い合いが激しくなっています。岐路に立つテレビ局も、ネットへの進出を加速させています。変わる放送業界の最新の動きをまとめました。(2017年6月7日〜21日、9200字)

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