スポーツ
朝日新聞社

あなたの知らない大相撲 秘密の「酒飲み番付」・愛される焼き鳥…

初出:朝日新聞2017年5月15日〜29日
WEB新書発売:2017年7月27日
朝日新聞

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 「国技館の焼き鳥とビールは最強の組み合わせ」。AKB48の田名部生来さんは、先輩メンバーのイベントにも顔を出さず、国技館で飲んでいた。力士は地面に手をついたら負けだが、2本足の鳥は手をつかない。そんなところから角界では鶏肉が愛される。国技館の地下には巨大な焼き鳥工場があり、1場所で5万本は焼く。相撲人気が沸騰しているが、ちょっとした話をたくさん集めてみた。

◇第1章 賜杯ずしり、歴史の重み
◇第2章 大阪相撲の名残、いまも
◇第3章 北の湖の夢、再興かなわず
◇第4章 出方さん、相撲がないときは
◇第5章 酒癖?芸?胸ポケットちぎる
◇第6章 異名はヘラクレス…でも下戸
◇第7章 大関再び、「締め込み」新調
◇第8章 相撲とビールと焼き鳥と私
◇第9章 再起の夢と「譲り団扇」
◇第10章 日本人になったぜ。でしょ?
◇第11章 国技館「バックヤード」へ潜入!
◇第12章 いつか飲みたい、ウルフの酒


第1章 賜杯ずしり、歴史の重み

◎協会合併・製造日・空襲……秘話と謎
 大相撲夏場所が両国国技館で始まった。中入り。春場所で奇跡の逆転優勝を果たした横綱稀勢の里が、日本相撲協会の八角理事長に賜杯(しはい)を返還した。
 江戸の風情と香りを伝える大相撲。その本場は東京――と思う人が多いだろう。実際、年6度の本場所の半分は東京の国技館で開かれる。しかし、実は昭和の初めまで大阪にも相撲協会があり、国技館があり、独自の相撲興行があった。
 賜杯が、いまの相撲協会を生む原動力となった。
 1925(大正14)年4月29日。摂政宮(せっしょうのみや)(のちの昭和天皇)の誕生日に、東宮御所で相撲大会を開催。その際に摂政宮から贈られた1千円の「下賜(かし)金」に、これまで蓄えていた皇室からの報奨金などを合わせて賜杯が制作された。費用は3千円という記録がある。
 この賜杯には、一つの秘話と謎がある。
 重さ29キロの純銀製の賜杯。実は、いまのものとは異なる「幻の賜杯」があった。刻印された皇室の菊の紋章が問題となり、宮内省、内務省、警視庁が警告。鋳(い)つぶされてしまった。
 その後に新たに作られたのが現在の賜杯だ。しかし、裏側には「大正十六年四月二十九日」という実際にはない製造年月日が刻されている。大正は15年までしかないのに――。

 なぜか。国技館に併設された相撲博物館は「大正16年となる1927年から使用するつもりで制作したら、大正天皇が亡くなられてしまったのではないか」と推測するが、記録がなく理由は分かっていない・・・

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あなたの知らない大相撲 秘密の「酒飲み番付」・愛される焼き鳥…
216円(税込)

「国技館の焼き鳥とビールは最強の組み合わせ」。AKB48の田名部生来さんは、先輩メンバーのイベントにも顔を出さず、国技館で飲んでいた。力士は地面に手をついたら負けだが、2本足の鳥は手をつかない。そんなところから角界では鶏肉が愛される。国技館の地下には巨大な焼き鳥工場があり、1場所で5万本は焼く。相撲人気が沸騰しているが、ちょっとした話をたくさん集めてみた。(2017年5月15日〜29日、7800字)

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