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朝日新聞社

機械を使わない田植えリポート 肩が痛い・大汗をかく…

初出:朝日新聞2015年6月26日、7月22日、8月28日、9月25日、11月4日、2016年3月23日
WEB新書発売:2017年9月28日
朝日新聞

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 東京・渋谷で生まれ育った記者が、長崎県で田植えを経験した。今回は機械を一切使わず、人力だけの作業に。機械なら30分で済む「田起こし」(水田づくりの準備作業)が、人力だと何日かかるか分からない。機械がないと作業がつらい。肩にしびれが走り、大量に汗をかいた……

◇第1章 人力田起こしの巻/2年目、人力でやってやる
◇第2章 人力田植えの巻/ちゃっかり子どもを助っ人に
◇第3章 海師匠、登場!の巻/田仕事の後はオカズも狙え
◇第4章 マタギへの道の巻/イノシシ退治、猟銃をとれ
◇第5章 「最大の難敵」の巻/人力で…できませんでした
◇第6章 猟師デビューの巻/ついにシシ肉手に入れた


第1章 人力田起こしの巻/2年目、人力でやってやる

 霜でコチコチの田んぼに、三本鍬(ぐわ)を突き刺す。枯れた稲の根っこを、土の塊ごとひっくり返す。振り上げた鍬から、土が頭にパラパラ。
 正月三が日。寒風吹きすさぶ無人の田んぼで大汗を流していた。5分もすると暑くなり、ウィンドブレーカーを脱いでアロハ姿になっている。
 ど素人の米作りを昨年、報告した。東京・渋谷生まれのセンター街育ち、エコにもスローライフにも関心なく51年生きてきた記者が、長崎県諫早市飯盛、山あいの集落で初めて田んぼに立った。早朝の1時間だけ。あとはふだん通りライターとして仕事をする。それで、男一匹が1年間食うだけの米を収穫する。会社がつぶれようと大不況だろうと、好きな仕事はあきらめない。そのための兵糧米を「朝だけ耕」で確保しようという実験だった。
 結果は約1俵半(85キロ)の収穫。素人に一から教えてくれた奇矯な師匠(68)と、光り輝く甘い銀シャリを試食した。大団円、のはずだった。
 おおむね好評だったが、同僚にピシッと言われた。
 「あのさ、これはあなたが新聞記者だから成功した企画だよね。記者だから師匠も協力してくれたし、農機具だって貸してくれたんじゃない」
 へえ、そうかい。パンピーだったらできない絵空事だってか。機械がなければ米はできないのか? 鼻っ柱の強さは生まれつき。「上等だよ。農機なし、人力でやったろうじゃん」と口走ってしまった・・・

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機械を使わない田植えリポート 肩が痛い・大汗をかく…
216円(税込)

東京・渋谷で生まれ育った記者が、長崎県で田植えを経験した。今回は機械を一切使わず、人力だけの作業に。機械なら30分で済む「田起こし」(水田づくりの準備作業)が、人力だと何日かかるか分からない。機械がないと作業がつらい。肩にしびれが走り、大量に汗をかいた……(2015年6月26日、7月22日、8月28日、9月25日、11月4日、2016年3月23日、12100字)

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