経済・雇用
朝日新聞社

異次元緩和4年半の決算 金融・資産市場で何が起きているか

初出:朝日新聞2017年8月27日〜10月4日
WEB新書発売:2017年10月12日
朝日新聞

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日銀が2013年に始めた「異次元緩和」は約4年半に及ぶ。低金利が続き、株価や不動産市況は堅調だが、景気回復の実感はなかなか広がらない。2018年4月には、黒田東彦総裁の任期切れを迎えるが、緩和の「出口」はいまだ見えない。異次元緩和で金融・資産市場で何が起きているのか。5章でお伝えします。

◇第1章 緩和マネー、リートに流入
◇第2章 日銀頼み、ゆがんだ市場
◇第3章 国債市場、閑古鳥が鳴く
◇第5章 日銀、緩和の出口で赤字も/中曽副総裁「対応は可能」


第1章 緩和マネー、リートに流入

■不動産、路線価の10倍も
 8月中旬の夕刻、東京・日本橋。シャツ姿の会社員やリュックを背負った外国人が、ビジネスホテルに次々と吸い込まれていった。このホテルは昨年8月、上場不動産投資信託(Jリート)の「いちごホテルリート投資法人」が約14億円で取得した。朝日新聞と不動産鑑定士の調査で、土地1平方メートルあたりの取得価格が、付近の2017年分の路線価の約8倍だった物件だ。
 羽田空港への直行バスが出る東京シティエアターミナルまで徒歩5分。リートの資産を運用する、「いちご投資顧問」の岩井裕志ホテルリート本部長は、「東京五輪があるので資産の一つとして東京のホテルを探した。築年数が浅く(15年新築)、修繕費の計上もまだ先。中長期にわたり、安定的な収益を確保できると判断した」と話す。
 なぜ、取得価格が路線価を大きく上回るのか。物件は、賃料などの収益に応じて鑑定評価される。訪日客の増加でホテルの稼働率や宿泊料が上がって賃料収入が増え、鑑定価格を押し上げている。「外国人観光客はスマホでホテルを探すため、路線価に関係なく、移動に便利な駅に近いホテルに集まる」とホテル業界関係者は話す。
 価格が上がっているのはホテルだけではない・・・

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異次元緩和4年半の決算 金融・資産市場で何が起きているか
108円(税込)
  • 著者松田史朗、大隈悠、真海喬生、座小田英史、河合達郎、藤田知也、畑中徹、福山亜希
  • 出版社朝日新聞社
  • 出版媒体朝日新聞

日銀が2013年に始めた「異次元緩和」は約4年半に及ぶ。低金利が続き、株価や不動産市況は堅調だが、景気回復の実感はなかなか広がらない。2018年4月には、黒田東彦総裁の任期切れを迎えるが、緩和の「出口」はいまだ見えない。異次元緩和で金融・資産市場で何が起きているのか。5章でお伝えします。(2017年8月27日〜10月4日、12900字)

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