経済・雇用
朝日新聞社

デパート仕事人秘録 「包装係」から「駐車場案内人」まで

初出:朝日新聞2015年9月4日〜10月16日
WEB新書発売:2017年11月23日
朝日新聞

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華やかな売り場からは見えにくいところで、デパートには実にさまざまな人々が働いている。たとえば、「駐車場案内係」。車が店の入り口に着く前に、ナンバーや運転手の顔をチェック。「いつもありがとうございます」「いつも通り屋上の駐車場でいいですね」などと、人によってかける言葉を少しずつ変える。あるいは「ディスプレー担当」。年に20〜30回もある「模様替え」のたびに、ショーウィンドーや店内装飾を作り替える。マネキンやオブジェは数センチ単位での調整が必要だ……。日本の百貨店を支える「職人」たちの働きぶりを追ったルポ。

◇第1章 お仕事、奥深き舞台裏/高島屋日本橋店
◇第2章 外商担当/細かな気配り、顧客の心つかむ
◇第3章 駐車場案内の達人/出迎えの流儀、客と店つなぐ
◇第4章 商品包装係/美しくそろえる30秒の技
◇第5章 ディスプレー担当/一晩で模様替え、数センチ単位の調整
◇第6章 バイヤー/流行の「先」探り、国内外駆ける
◇第7章 くつ販売員/履き心地、足に合わせて追求


第1章 お仕事、奥深き舞台裏/高島屋日本橋店

 世の中には、いろんなお仕事があります。それを職場におじゃましながら紹介。最初の舞台は、高島屋日本橋店です。

■エレベーター案内係 お辞儀の角度、使い分け
 「上へ参ります」。真っ青なスーツで、来店客を案内する。白い手袋をはめた手を床と直角に立て、口元に笑みをたたえて。
 店では、1930年代に稼働した手動式エレベーターがいまも現役だ。金属製のレバーで操作する。
 服装や作法は厳しく指導される。髪はまとめ、イヤリングは禁止。お辞儀は、状況によって上体の傾きを変える。「いらっしゃいませ」は30度、「またお越し下さい」は45度だ。
 案内係は採用がない年もある「狭き門」。新人は3日ほどの研修を終え、すぐエレベーターを操る。経験を積むと、ほかの案内業務や店内放送も担う。
 若手の薄衣麻実さん(32)は山形出身。夢のデパート勤務は立ち仕事も多くて疲れるが、プライベートでは使わない濃い口紅を塗ると「自然と仕事モードです・・・

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デパート仕事人秘録 「包装係」から「駐車場案内人」まで
216円(税込)

華やかな売り場からは見えにくいところで、デパートには実にさまざまな人々が働いている。たとえば、「駐車場案内係」。車が店の入り口に着く前に、ナンバーや運転手の顔をチェック。「いつもありがとうございます」「いつも通り屋上の駐車場でいいですね」などと、人によってかける言葉を少しずつ変える。あるいは「ディスプレー担当」。年に20〜30回もある「模様替え」のたびに、ショーウィンドーや店内装飾を作り替える。マネキンやオブジェは数センチ単位での調整が必要だ……。日本の百貨店を支える「職人」たちの働きぶりを追ったルポ。(2015年9月4日〜10月16日、4800字)

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