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朝日新聞社

東横線沿線魅力の秘密 白亜の商店街からひようらまで

初出:朝日新聞2017年3月19日〜25日
WEB新書発売:2017年12月7日
朝日新聞

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東京・渋谷と神奈川・横浜を結ぶ大動脈、東急東横線は、利便性と住みやすさから、各種調査でも人気の沿線だ。その魅力の秘密は、いったいどこにあるのか? 代表的な駅を歩いて探ってみた。

◇第1章 白亜の商店街、次代へ
◇第2章 境内で輝く相鉄線車両
◇第3章 子育て発、地域デビュー
◇第4章 「ひようら」、慶応と歩む
◇第5章 綱島街道、再開発ラッシュ
◇第6章 名バーテン、大倉山に


第1章 白亜の商店街、次代へ

 東急東横線大倉山駅(横浜市港北区)を出て西側へ。「エルム通り商店街」には、古代ギリシャのパルテノン神殿のような白亜の建物が並ぶ。狭かったバス通りを広げるために商店街が一斉に建て替え、来年で30年。商店主らの街への思いが詰まっている。

 「よく見てごらん、パラペットっていうんだが、高さが横にそろっているでしょう」。阿部修さん(71)が誇らしげに言う。パラペットとは壁面の装飾のこと。商店街のいくつもの建物が、同じ様式で高さまでそろえて建てられている。
 阿部さんが喫茶店「すずらん」を開いたのは1975年。バスがすれ違うにも苦労する狭い道だった。
 駅の東側に区役所が移転し、東側の商店街が道を拡幅。人の流れが変わった。西側にも危機感が生まれ、拡幅の検討が始まった。
 阿部さんも若手として議論に加わった。大倉山らしさをどう演出するか。外部の専門家が提案したのが、街のシンボルの大倉山記念館にあわせ、ギリシャ風の街並みにすることだった。
 「ギリシャ、行ったことあります?」。商店街の役員たちは顔を見合わせた。誰も行ったことはない。でも魅力的。議論を重ねた。道路を広げて歩道を作り、建物は古代ギリシャの「プレヘレニズム様式」で建て替えることを決めた。
 新築したばかりだった一部建物を除いて一斉に取り壊し、道を広げて再建。白亜の商店街が完成したのは1988年10月のことだ。
 阿部さんは自分の店を、ギリシャ語ですずらんを意味する「カヴァヌーラ」に変えて開店。年齢を感じ3年前に閉店するまで、地中海料理の店として営業した・・・

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東横線沿線魅力の秘密 白亜の商店街からひようらまで
108円(税込)

東京・渋谷と神奈川・横浜を結ぶ大動脈、東急東横線は、利便性と住みやすさから、各種調査でも人気の沿線だ。その魅力の秘密は、いったいどこにあるのか? 代表的な駅を歩いて探ってみた。(2017年3月19日〜25日、7400字)

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