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朝日新聞社

新潟のコメ、反転攻勢 海外で高い評価

初出:2018年1月1日〜7日
WEB新書発売:2018年3月8日
朝日新聞

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 戦後の日本は工業製品の輸出による経済成長が第一で、農産物が話題になるとしたら、輸入攻勢からどう守るか、といった観点が多かった。だが、局面は変わりつつある。食味や安全性などの点で、日本の農産物の国際的な評価は実は高い。食糧の確保が優先だった地域も、経済成長で食味や安全性に目覚めつつあり、価格が多少高くても「おいしくて安全なもの」が好まれる傾向もある。今こそ日本の農産物の出番かも知れない。「コメ王国」新潟の輸出の現場を歩いた。

◇第1章 新潟米、アジアに攻勢
◇第2章 つきたて、真価発揮
◇第3章 農家有志が販路開拓
◇第4章 光る個性、中小が勝負
◇第5章 経営感覚、海外で刺激
◇第6章 中国市場参入に「壁」


第1章 新潟米、アジアに攻勢

 クリスマス一色に染まったシンガポールのショッピング街・オーチャード通り。人工雪がひらひらと舞う商業施設の一角で、「うまさぎっしり新潟」と日本語で書かれた赤い小さなのぼり旗が揺れていた。
 入り口の前には、仕事帰りの買い物客が並んでいた。シンガポールで人気上昇中の現地系の焼き鳥丼チェーン店「とりQ」だ。
 タレのかかったほかほかのごはんの上に、串に刺さったつくねやモモなどが4本のって、現地ではお手頃価格の6・7シンガポールドル(約564円)。日本の牛丼チェーンのように親しまれているファストフードに使われているコメは、新潟産の「ゆきん子舞」だった。
 6歳の長男、4歳の長女を連れて週に2、3回訪れるというトレーシー(40)は「日本のコメはSticky(粘りがある)で、おいしい。それに健康的でしょう。娘は焼き鳥丼のごはんの方ばかり食べているわ」とほほ笑んだ。

 とんかつ、焼き肉、豚骨ラーメン……。シンガポールの飲食店街を歩くと、必ずと言っていいほど日本食店、それも大衆料理店の看板が目に入る。日本食店は外食店舗全体の16%(大使館調べ)で、中華、西洋料理に次ぐ規模だ。そんな日本食店の店頭に「新潟米使用」の立て札を掲げる店も少なくない・・・

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