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前特捜部長逮捕の裏側 検察の崩壊が始まった

WEB新書発売:2010年10月15日
AERA

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前特捜部長逮捕の裏側 検察の崩壊が始まった

 ついに逮捕──。このままでは検事総長の責任問題に発展しかねない。東西の特捜部長が東京・霞が関の検察庁で、にらみあった。その真実とは。




 逮捕の方針が濃厚になったとき、ある検察関係者は、
「もう、大坪には腹を切ってもらうしかない」
 と言った。
 検察は追い込まれていた。
 9月の最終週。検察庁で、「東西」の2人の元特捜部長の対決が続いていた。
 前大阪地検特捜部長の大坪弘道・京都地検次席検事(57)は、「ミスター大阪地検特捜部」といっていい存在だ。いずれは検察組織で独自の地位を持つ「関西検察」の中枢を担うことが約束されていた。
 大坪前特捜部長は鳥取県出身。08年10月の特捜部長就任会見では、「不正義や欺瞞(ぎまん)、癒着が隠れている。グレーに見える黒を暴くのが検察の仕事だ」と意気込んだ。
「大坪さんこそ本当の割り屋」
 多くの検察関係者がそう評する。社交的で穏やかで、取り調べの相手にも信頼される。ソフトな雰囲気から、多くの特捜検事が苦手とする女性の関係者への取り調べもうまかったという。
 東京と大阪の交換人事で東京地検に来ていた際には、地下鉄サリン事件の取り調べをし、サリンの製造工程について教団幹部から供述を得て、事件への教団関与を決定づけたとされる。
 東京協和・安全の2信用組合による乱脈融資事件では背任罪などに問われて実刑となった山口敏夫元衆院議員の捜査に加わり、共犯として起訴された山口元衆院議員の姉から重要な供述を得たという。
 その大阪の「割り屋」と対峙(たいじ)したのは、2代前の東京地検特捜部長、八木宏幸最高検検事(54)だ。

2人の「割り屋」対決

「身内に甘いと思われないよう徹底的に捜査する」
 前田恒彦検事(43)を逮捕した21日、伊藤鉄男次長検事が検察庁20階の会議室でこう記者会見した際も、八木元特捜部長は、隣に控えて補佐を務めた。
 直接取り調べはしていないが、捜査の「要」だ・・・

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