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医療・健康
朝日新聞出版

がん時代のマネー対策 お金がなくて治療ができない

初出:2011年2月28日号
WEB新書発売:2011年3月4日
AERA

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がん時代のマネー対策 お金がなくて治療ができない

 医学の発達で、通院で抗がん剤治療を続けられるようになったが、経済的負担は大きい。患者と家族は悲鳴をあげている。




 茨城県内に住む新家さん夫妻が市の中心街に戸建て住宅を新築したのは1994年。夫の尚員さん(51)と妻の幸子さん(51)がともに34歳のときだった。県道沿いの土地と建物で2500万円と、地元では少し贅沢なマイホームを手に入れた。
 4DKで庭付き、駐車スペースもゆったりと3台分あった。尚員さんの両親もいずれ同居する予定で、当時生まれたばかりの2人の子どももこの家で成人することを願っていた。「結婚したらまずはマイホーム」という幸子さんの願いがかなった。
 だが9年前の秋、幸子さんが自治体の健康診断を受診したのを機に、新家さん一家は借金まみれの生活に突入した。
 健診では、白血球数が異常に高い数値を示した。地元の民間病院と別の大学病院の精密検査で慢性骨髄性白血病と診断された。慢性骨髄性白血病は自覚症状がない場合が多く、進行すると発熱や関節痛、貧血などがみられ、特徴的な染色体異常を示す血液のがん。これまでの治療は白血球の増殖を抑え、異常細胞を減らすことを目的に、骨髄移植やインターフェロンに頼っていた。これらの治療をしても5年生存率は50〜80%程度だった。
 2001年に登場したグリベックという飲み薬が白血病の治療を画期的に変えた。グリベックとは白血病細胞の増殖そのものをブロックする分子標的薬の一種。5年生存率が98%まで上がると言われている。
 だが、問題は一錠の値段が現在、2750円と高額なことだ。通常は1日4錠飲むので、1日1万1千円かかる(発売当初は一錠約3400円)。一度に56日分処方されるため、3割負担でも約18万円支払う必要があった・・・

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