【お知らせ】WEB新書は閉店しました。

教育・子育て
朝日新聞出版

放射能から子どもをどう守る? 保育園の「安全格差」

初出:2011年11月21日号、28日号
WEB新書発売:2011年12月2日
AERA

このエントリーをはてなブックマークに追加

放射能から子どもをどう守る? 保育園の「安全格差」


 今年も「保活」シーズンが到来した。
 震災後も相変わらず厳しい入園競争に、さらに放射能の心配が加わった。
 安心してわが子を任せられる保育園を見つけ、預けて働くことはできるのか。

◇野菜の産地を聞けない
◇不利になるのでは
◇質と安全の板挟み
◇一緒に取り組めたら
◇食材測定は40自治体
◇保護者の声という理由
◇除染は「困ります」
◇それでも待機児童




 千代田区、港区、目黒区、世田谷区、渋谷区……。ヨウコさん(30)の「保活ノート」には、東京都内の区の入園担当者から聞き出したコメントがびっしりと書き連ねてある。
 妊娠中だった今年6月、保育園の入りやすさを最優先に引っ越し先を検討。目ぼしい区に電話をかけまくって状況を探った。確定的なアドバイスは得られないが、「この地域は子育て世帯が多い」「この駅の周辺は利用者数の割に保育園が少ない」といった情報は教えてくれる。2年前に待機児童が急増したある区に電話すると、
 「区のホームページは確認しましたか」
 とけんもほろろ。同様の問い合わせが殺到しているのだろう。自営業のヨウコさん夫婦はフルタイム勤務の夫婦より選考で不利になる恐れがある。激戦区とわかると諦めた。
 「担当者の口ぶりやニュアンスから状況を読み取って、引っ越し先探しの参考にしました」

野菜の産地を聞けない

 比較的入園しやすい地域という情報を得て決めたマンションは、都心のど真ん中。出産の4日前にひとまず認可外の保育園の予約を済ませた。ここを「保険」に、来年4月の入園を目指して認可保育園の選考に挑む。
 何としても入園を果たしたい――その一念のために、頭の隅に追いやっている不安がある。
 「原発事故の影響は、大丈夫だろうか」
 生後2カ月の長女のミルクはウオーターサーバーの水で作り、自分が食べる野菜は九州から取り寄せている。いまはベビーカーで寝ているだけなので土や砂を口に入れる心配もない。だが、保育園に預けて離乳食が始まればこうはいかないだろう。
 見学した園では、給食の献立表は渡してくれたが、野菜の産地は説明されなかった。少しひっかかったが、入園すると決まったわけでもないので何となく聞きづらかった。入園の頃には放射能騒ぎも落ち着いているだろう、と楽観的に考えたい気持ちもあった。
 「仕事に戻ることが第一で、延長保育やら交通の便やら、園を選ぶ条件は親の都合が最優先。具体的な心配ごとは、入園させてから出てくるんでしょうね・・・

このページのトップに戻る