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教育・子育て
朝日新聞出版

新基準は震災と放射能対策 わが子を守れる中学校どう選ぶ?

初出:2011年12月5日号
WEB新書発売:2011年12月9日
AERA

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新基準は震災と放射能対策 わが子を守れる中学校どう選ぶ?


 地震が起きて交通機関が麻痺したら。再び原発から放射性物質が漏れ出たら……。
 除染対策で人気が上がった学校もあり、中学受験地図は大激変。
 学校選びの新たな基準に震災、放射能対策が加わった。
 12歳のわが子を守ってくれる学校はどこなのか。

◇線量下げて人気アップ/20カ所で線量測定の浅野、渋幕は特別授業も
◇75校が放射線量を測定、14校で「除染」/通学路やバス停でも測定
◇水と食料、毛布は/成城は学校に宿泊、鴎友は水1週間分を用意
◇わが子と連絡がとれない/待機か帰宅か、分かれる選択
◇携帯のルールに変更も/危険性と利便性の間で揺れる
◇震災で23校が携帯電話のルールを変更/基本は「制限付きで可」


線量下げて人気アップ/20カ所で線量測定の浅野、渋幕は特別授業も

 朝7時過ぎ。冷たく乾いた筑波おろしが、校門から続く銀杏並木の葉を容赦なく吹き散らす。その黄金色の葉が通学路に落ちると、竹箒を手にした教職員たちが手際よく掃き清め、落ち葉の山を作っていく。茨城県取手市の聖徳大学附属取手聖徳女子で毎朝、生徒の登校前に見られる光景だ。その目的は清掃ではなく、「除染」。

◎除染費用は500万円
 落ち葉や土には放射性物質が付着しやすいとされる。それを除去するのだと、壷谷なる朗事務長が解説してくれた。
 「毎朝の掃き掃除に加え、高圧洗浄機による洗浄、芝刈り、側溝の汚泥取りなどをこまめにやっています。1日3回の空間線量率測定のほか、土壌の検査もしていますが、おかげで校庭の土からセシウムは検出されませんでした」


 福島第一原発から南西に180キロ。原発4基で爆発が相次いだ直後の3月16日ごろ、危機感をつのらせた長野雅弘校長は東京・秋葉原で、線量計と8冊の放射線関連の書籍を買い、地表に降り積もった放射性物質が人体に及ぼす危険性を知った。25日には、壷谷事務長と2人で整地用の道具を使い、4時間かけてグラウンドの土を削り取った。最大毎時0・4マイクロシーベルトあった空間線量率が、作業後には0・1マイクロシーベルトに下がった。ほかにも、給食の食材は放射性物質が不検出のもの以外は使わないなど、徹底した被曝対策を取っている。
 「除染に費やした費用は、重機の操作や芝の刈り取りをする業者への支払いなどで、500万円を超えるでしょう。後になってわかったのですが、うちの学校の周辺は、実はさほど空間線量は高くない。でも、どこまでが安全なのか、何が正しいのかわからない状況です。ならば、とにかく原発事故以前の状況に近づける努力をすべきだと思いました」(長野校長)
 JR常磐線取手駅か藤代駅からバスで約10分かかる取手聖徳だが、今年は学校説明会などへの参加者が昨年の2倍以上に増えた。特に「ホットスポット」である千葉県東葛地域からの受験生が増えているという・・・

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