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世相・風俗
朝日新聞出版

「妻食系」男子時代の「稼げるオンナ」と「払わない男」

初出:2013年5月20日号、27日号
WEB新書発売:2013年5月31日
AERA

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 かつて結婚の本質は「女の顔と男の財布の交換」とさえ言われたが、いまや状況が一転している。女性が稼ぎ社会で活躍し、男性が「家庭進出」することに抵抗感がなくなり、「妻食」主義が広まっているのだ。「男の顔と女の財布の交換」の時代になったとさえ思わせるのは、女性におごられることに抵抗感のない「高スペックな払わない男」の増加だ。

◇第1章 稼げるオンナ、見分けるには/これからは「妻食系」男子の時代 
◇第2章 高スペックな払わない男/アッシー、メッシー〈死語〉は遠い昔



第1章 稼げるオンナ、見分けるには/これからは「妻食系」男子の時代


 都内の広告会社の社長(37)の年収は、1千万円を超える。化粧っ気はない。夫はシステムエンジニアで、年収200万円台だが、将来は独立を目指す。
 友達の紹介で交際を始めた。同じ有名私大の出身。学生当時、夫は大学側から「このままでは、あなた退学ですよ」と通告され、揚げ句に中退に追い込まれた「だめんず」。だが、そこに「将来有望」と魅力を感じた。
 家を建てたのは、夫の実家近く。「責任」を感じた両親が孫の世話をよくしてくれる。「仕事命」の妻は「うちの旦那、育児をしっかりしてくれるの」とのろけ、夫には負担感なし。

◎給与の低い僕が家庭に
 2008年のリーマン・ショック後、男が外で稼げない「サラリーマン・ショック!」の時代が来た。
 就業者数はピークの1997年から11年までに313万人減ったが、その9割は男だ。
 一方で、成長分野の医療・福祉は、02年から11年までに就業者数が178万人増えている。その8割が女性で、高齢化を背景に、今後も増える見通しだ。女性の賃金は、不況のどん底だった97年以降も基本的には上昇トレンド。全国消費実態調査(09年、単身世帯)によると、30歳未満の女性の可処分所得は月21万8100円と、初めて男性を上回った。
 男たちが、これからは「女に食わせてもらおう」と考えるのは、自然な流れかもしれない。育児と家事の両立がしんどいなら、「給与の低い僕の方が辞める」という選択肢もある。
 『男性不況』が評判を呼んだ第一生命経済研究所の永濱利廣主席エコノミストは、「専業主夫」を目指せという。
 男がもっと「家庭進出」すれば、女性が会社で活躍する余地が広がり、「ガラスの天井」(男社会の壁)は崩れるかもしれない。これこそ「男女共同参画社会」への近道ではないか。
 専業主婦願望から結婚相手を探す女性を避けがちな草食男子だが、妻に食べさせてもらう「妻食男」へと変身すればいい。

◎男の顔と女の財布
 心理学者の小倉千加子さんは03年、『結婚の条件』で、結婚の本質を「女の顔と男の財布の交換である」と喝破したが、いまや、男の顔と女の財布を交換する条件が整いつつある。
 国立大学大学院でフェミニズムを学び、男中心に稼ぐことに疑問を持つヤエコさん(仮名・41)は、非常勤講師を務める同期生と結婚したが、「超貧乏という現実に泣いた」と振り返る・・・

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