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朝日新聞出版

夫を捨てる準備、始めよう やがて来るあの日を目指して

初出:2014年2月24日号
WEB新書発売:2014年2月28日
AERA

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 浮気、カネ、DV……熟年妻たちが夫を見捨てる決意をする原因はそれぞれでも、その「怨恨」の根が深いのは間違いない。熟年離婚を見据え、40歳ごろから着々と準備を始め、戦略を練る妻たちが増えているという。そこで、共働き・パート・専業主婦の3タイプ別に「夫断捨離」プランを指南。周到な準備と実行力で新たな人生を謳歌するか、それとも愛情が尽きても何の不満もないように演じる「偽装夫婦」に甘んじるか。それは、結局、アナタ次第。

◇第1章 40歳から始める夫断捨離の夢路 15年後に夫を捨て去り、ルネッサンス!
◇第2章 夫婦が偽装するもっともな理由 ブランド食品のみならず、夫婦も偽装する時代?
 ・[コラム]偽装夫婦でいるのは退屈 すれ違う夫婦の心理を描く井上荒野さんが斬る



第1章 40歳から始める夫断捨離の夢路 15年後に夫を捨て去り、ルネッサンス!

 専業主婦のAさんは、40歳を過ぎてから、「夫断捨離」計画を実行に移した。まずは経済的自立が必要と、パート勤務を始めた。やがて、教育関係の資格取得を目標に掲げ、パート勤務のかたわら、大学通いも始めた。
 そして、4年後、研修も終え、晴れて資格を手にして、念願の離婚へと踏み切った。
 熟年世代の離婚が増えている。離婚相談も請け負う探偵事務所、ファーストコールの安来清志さんによれば、50〜60代の離婚相談は年間7300〜1万950件前後。不景気の中でも増加しているという。



◎水面下で着々と
「日経ヘルス プルミエ」が40〜50代女性を対象に行ったアンケート(10年実施)では、既婚女性110名のうち、約5割の47・3%が「夫との離婚を考えることがある」と回答。離婚は人ごとではない様子が見てとれる。
 実録・リセット離婚物語『マルイチ』の著者、森綾さんは、熟年世代の妻たちが離婚に踏み切る理由として、25年以上もの夫婦生活の中で積もりに積もった、「夫に対する怨恨」が背景にあると推測する。
「浮気を筆頭に、親族間の金銭トラブルや、夫のDVが主な原因でしょう。大手企業勤務の知人男性は、退職当日に、専業主婦の奥様から三行半を突きつけられたんです。彼が10年近く愛人と同棲していた、その間に、奥様は水面下で着々と離婚を準備。成立後は、がっくり落ち込む夫を尻目に、新たな人生を謳歌しているそうです」
 ただ、離婚した場合、経済的自立も迫られる。
 20年間で3万件の離婚相談を受けてきた「東京家族ラボ」主宰の池内ひろ美さんは、基本的に熟年離婚に賛成ではない。
「熟年離婚をした後に何が起こるのか、当事者ご自身が想像しても限界があります。そのため『これほどつらいとは思わなかった』と離婚後おっしゃる方もいらっしゃいます。60代で初めてひとり暮らしの厳しさに直面したり、子供が父親に同情し子供と敵対する場合もあります。離婚で生活環境も変化しますが、高齢になってから生活のレベルが下がってしまうのは、とてもストレスが高いことです」
 相談者には仔細なシミュレーションを提示するそうだが、
「それでも踏み切ることができるのは、覚悟のある方。『別れたいそれだけの理由がある』ということです。覚悟ある熟年離婚は応援しますが、必ず周囲のどなたかとよく相談をしてください」(池内さん)
「いっそ、夫を捨ててしまいたい」と、夫断捨離の腹をくくる妻は潜在的に増えている。しかし、だからといってこのご時世、計画なしに決行するのは、裸で冷水に飛び込むようなもの。
 年間300件以上の離婚の相談を受けている丸の内ソレイユ法律事務所長で弁護士の中里妃沙子さんは、「熟年世代の女性の離婚こそ、戦略が必要だ」と断言する。
「夫断捨離は、妻からすれば、『もうやってられない』離婚なんです・・・

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