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朝日新聞出版

自由バンザイ 愛おしい独身生活、でも子どもは欲しいのです

初出:2016年2月8日号
WEB新書発売:2016年2月18日
AERA

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 36歳男性。家賃20万円の都心マンションで一人暮らし、週末は好きな映画のDVDを観るのが定番コース。成城石井で買った具だくさんのサラダを食べながら、翌週に向けて自分をリセットしていく。38歳女性。週末にバーで午前3時ごろまで飲んだり、エステに行ったり。時間も、お金も、食事も、何もかもが自由な日々がたまらなく愛おしい。「誰かとずっと一緒にいるのは苦痛」で、彼氏が自宅に来る日曜日は、無性にイライラしてしまう――。ひとりは楽だ。でも、ふと子どもは欲しいと思う。「ひとり好き」はどう結婚や子どもと向き合えばいいのか。

◇ひとり好きでも子どもは欲しい/結婚で自由は奪われたくないけれど
◇家族は自分ひとりで十分、そんな価値観もあっていい


ひとり好きでも子どもは欲しい/結婚で自由は奪われたくないけれど

 自由な時間と空間、自分の思い通りに使えるお金。
 「ひとり」だからこそ得られる、大事なものだ。
 何ものにも代えがたいものなのに、ふと子どもは欲しいと思う。
 ちょっと弱ったり、年齢が気になったりしたとき。
 「ひとり好き」はどう結婚や子どもと向き合えばいいのか。
 
 会う人がみんな驚きつつも怪訝そうな顔をする。
 「えっ? 独身なんですか?」
 そんなことには、もう慣れている。いつもあっけらかんと、
 「そうなんです、ダメ人間なんですよね〜」
 と笑顔で答えてオシマイ。だって、ひとりでいることが最高に幸せなんだから。
 都内のPR会社で働くユカコさん(38)。細身の体を白いシャツと紺のパンツスーツで包み、おしゃれなハイヒール。大きな二重の目、セミロングの髪はさらさらだ。コロコロとよく笑い、「モテる」雰囲気が全身からにじむ。
 短大卒業後に就職して、8回転職した。興味のあることが見つかるたびに、迷いなく挑戦してきた結果だ。30歳を過ぎると、任される業務が増え、誰とでも対等に話ができるようになり、ますます仕事が面白くなった。収入も安定し、週末に自宅近くのバーで午前3時ごろまで飲んだり、ブランドのバッグを即買いしたり、エステに行ったり。時間も、お金も、食事も、何もかもが自由な日々が、たまらなく愛おしいという。
 「結婚願望がないわけではありません。けれど、この快適なひとりでの生活を変えることが全く想像できない」


◎「邪魔」で恋愛は終了
 そんな自由を謳歌できる独身のメリットは、多くの人が感じている。本誌がアエラネットを通して行ったアンケートでも、「独身のメリット」には「時間を自由に使える」が62%。次いで「お金を自由に使える」が11%だった。ユカコさんの場合は、そこにもうひとつの要素が加わる。「誰かとずっと一緒にいることが苦痛」なのだ。
 例えば、旅行。とても仲の良い女友達でも、2泊3日が限界で、3日目から口をききたくなくなる。友達を嫌いになったわけではないが、早く帰りたい。
 例えば、彼氏。ひとり暮らしをするユカコさんの部屋で一緒に過ごす日曜日は、無性にイライラしてしまう。スリッパを履かずに歩かれたり、洗面台が濡れたままだったりすると、「私はこれから掃除をして、お菓子を食べながらくつろぎたいのに、なんでここにいるの?」という思いが膨らんでくる。たいてい「邪魔」と本音をぶつけてしまい、恋愛は長続きせずに終わる。
 友達は多いし、仕事は周囲と連携しながら、テキパキこなす。コミュニケーションを取るのはむしろ得意だ。なのに……・・・

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