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世相・風俗
朝日新聞出版

会議4時間半、もう限界だ〜 日本三大無駄地獄

初出:2016年4月4日号
WEB新書発売:2016年4月14日
AERA

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 あまりの不毛さに頭がおかしくなるかと思った。会議が終わったのは午後11時。残るのは徒労感ばかり――。NTTデータ経営研究所の調査で「無駄な会議等が多い」と答えた人は45%にのぼった。デジタル化の進まない学校や幼稚園は親たちにムダな労力を課す。行事写真は平日午前11時までの貼り出し、支払いは現金ちょうどを用意。休み連絡は電話ではなく、友達に連絡帳を預ける。「共働き家庭が増えているのだから、学校も変わってほしい」。イライラしているのは、あなただけではありません。日本三大無駄地獄の最前線をリポート。

◇油断すれば職場は無駄の温床 社内会議は踊りもしない
◇デジタル化進まない学校や幼稚園 会社休んで壁写真を選ぶ
◇働く母を縛りつける家庭 夫を使うとかえって手間に
◇無駄には効用もある、試行錯誤が競争力を上げる/西成活裕・東京大学教授


油断すれば職場は無駄の温床
社内会議は踊りもしない

 あまりの不毛さに、頭がおかしくなるかと思った。その社内会議が終わったのは午後11時。終了後も充実感はまったくなく、無駄な時間を過ごしたという徒労感ばかりが残った。
 金曜日夕。大手PR会社に勤務する男性(26)はその日、午後6時からと午後6時半から二つの社内会議があった。日中はそれぞれ得意先を回ることが多く、社内会議が設定されるのは基本的に午後6時以降。通常は1時間程度だ。
 男性が一つ目の会議を終えたのが午後7時半。二つ目の会議もすでに1時間、終わったか終わりが見えている頃だろうと思って会議室のドアを開けた。その瞬間、空気がどんよりしていると感じた。イヤな予感がした。
 20代後半の営業担当者が、クライアントに新しい提案をすることになったのでアドバイスしてほしいと、20〜30代の7人を招集した。だが、仕切るべきその彼は、着地点も時間も決めずに、話をまとめる判断もしない。PRのタイミングをいつにするかを決めようとしても、それぞれの担当者が意見を言って終わり。平行線だ。
 そんな雰囲気だから、参加者はスマホを頻繁にチェック。電話やメールがあると、自席に戻って対応する。10分、20分後に戻ってくると、抜けていた間にどんな内容を話し合ったかが説明される。まるで壊れたテープレコーダーを聞くよう。男性が参加してからでも、3時間半もの時間が費やされた。
 「こちらにも仕事や予定がある。招集するなら、しっかり準備してほしいし、コスト意識を持ってほしい」
 NTTデータ経営研究所が2012年にインターネットで行った調査で、会議の課題について尋ねたところ、「無駄な会議等が多い」がトップで45%にのぼった。無駄な会議に悩んでいる人は多いのだ・・・

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