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イクメン23%が降格・左遷!? 共働き阻む15の壁

初出:2016年5月30日号
WEB新書発売:2016年6月9日
AERA

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 共働き世帯の数は、専業主婦がいる世帯の1・5倍で、いまや「主流」だ。しかし、子どもの成長に伴って「保活の壁」「小1の壁」「転勤の壁」など、15の壁が立ちはだかる。「女性向けの施策はすでに出尽くしている。メスを入れるべきは、男性の生き方とセットになっている長時間労働と終身雇用制」と専門家は指摘する。しかし、育休や時短・フレックスを申請した男性のうち、降格や左遷などの不利益な待遇をされたことがある人は23%、同僚や上司から否定的な発言をされたことのある人が45%にのぼるという調査結果も。共働きの現実をリポート。

◇負い目感じず働くために/退職ブランクで妻の再就職難
◇両立できてもやりがいなし/ゼロに戻さない働き方もある
◇男性の家庭進出は必須だ/夫に「長時間労働」の壁


◇負い目感じず働くために/退職ブランクで妻の再就職難

 午後6時。今日は妻の望み通りの時間に職場を出られるかもしれない。メーカー営業職の男性(37)はパソコンの時計を見ながらそう考えた。しかし妻(31)にはまだ連絡をしない。万が一遅れたときに、妻の怒りを買うからだ。期待させないことがお互いのため。帰路の電車でやっとメールを入れた。
 「今日は早く帰れるよ」

◎待ち受ける「小1の壁」
 男性が6時に職場を出られると、共働きの妻の描く理想のローテーションが組める。男性が7時過ぎに長女(6)を保育園に迎えに行き、風呂に入れ、同じころ帰宅する妻が夕食を作る。妻の帰宅後の作業は半減し、夕食も早く食べられる。
 でも、こんな時間に帰れるのは、せいぜい週に1日だ。顧客が店を閉める午後8時以降が営業の「ゴールデンタイム」。この時間帯に穴を開けることはできない。妻も同業のため事情はわかっている。妻は保育園の迎えのため「ゴールデンタイム」に営業ができず、同期に給与と昇進で差をつけられている。
 「あなたはいいわよね、何も言われず仕事に専念できて」
 妻はそうこぼし、仕事を続けるか迷っていた時期もあった。長男(0)を出産してからは、2人の子持ちで正社員のポジションを手放したら最後、取り戻すのは難しいと割り切っている。
 すでに物理的にも精神的にもパツパツで生活を回している夫婦に来年4月、長女が小学生になることで発生する「小1の壁」が待ち受けている。放課後の預け先となる学童保育施設は保育園より早く閉まるうえ、自宅まで子どもの足で20分かかる。妻ひとりで学童と長男の保育園の両方に迎えに行くのは、時間的に厳しい。かといって男性が日常的に早く帰ることもできない。やはり、妻が働き方を変えるしかないのか――。
 労働政策研究・研修機構によると、専業主婦の妻がいる世帯と共働き世帯の数は1990年代半ばに逆転し、2014年は共働きが専業主婦の1・5倍で、いまや「主流」だ。アエラが行ったアンケートでも、男女とも約9割が共働きを望んでいる・・・

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