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教育・子育て
朝日新聞出版

子のない人生乗り越えて 少子社会を前向きに生きるヒント

初出:2016年8月8日号
WEB新書発売:2016年8月25日
AERA

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少子高齢化が問題視されるが、社会が豊かになり、生き方の多様性が認められるようになると、少子化が進むのは普遍的な現象。無理をして人口増を目指すより、いまいる人たちで経済を循環させる工夫を考えた方がいいのではないか。ホストファミリー、子供食堂、留学生、移民、養子……子供なしでも自由に、前向きに生きるヒントを集めてみました。

◇幸せな少子社会は可能だ/子ありと子なしが協働して回す循環型経済へ
◇育ての親が不足、養子を選択肢に/実子でなくても親になる


幸せな少子社会は可能だ/子ありと子なしが協働して回す循環型経済へ

 躍起になって人口増を目指すより、いまいる人たちで経済を循環させられないか。
 少子化を前提とした社会のあり方を考えるためのヒント。

 北海道札幌市に住む公認会計士の井上善博さん(69)、奈穂子さん(56)夫婦は、ホストファミリーとして受け入れた留学生たちと、毎日LINEをやり取りする。
 「お父さんはまだ会社にいます。タイミングが合えば一緒に帰りましょう」
 「はーい」
 2人の結婚は早かった。子どもを望んだが授からず、不妊治療をしばらく続けて「ほかの方法を探そう」と諦めた。新聞記事で、海外の高校生を自宅に受け入れるAFS日本協会のホストファミリー制度を知り、応募した。22年前のことだ。
 ホストファミリーを始めてから、暮らしは賑やかになった。部屋を提供し、毎日のお弁当を持たせ、夕食はできるだけ一緒にとる。片言の日本語がみるみる上達していくのを見るのも、うれしかった。
 スピーチコンテストの勉強に付き合い、休みにはアウトドアや観光にも出かける。留学生たちからは、自然に、「お父さん」「お母さん」と呼ばれるようになった。相手を大切に思うから、叱ることもある。
 「社会の役に立とうと学びに来た彼らに、敬意を抱いています。同時に、大切な子どもを預かった、日本の父と母のような気持ちでいます」(奈穂子さん)
 これまで受け入れた留学生はタイ、オーストラリア、マレーシア、デンマークなど16カ国22人。現在も、アメリカからの高校生と、タイとベトナムから再来日して大学院に通う3人の留学生を受け入れている。
 成長した子どもたちから、週に一度はスカイプやフェイスブックでメッセージが届く。
 「計り知れない生きがいをもらっています・・・

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