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朝日新聞出版

生前退位を巡る七つの疑問 何と呼ばれ、どこに住むのか

初出:2016年9月12号
WEB新書発売:2016年9月21日
AERA

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 生前退位の議論が天皇周辺ではじまったのは、2010年ごろという。「お言葉」までに6年。逝去を待たずに天皇が退位し、皇太子が新天皇になる――。シンプルなことのようだが、近代日本では直面したことのない事態。称号は? 住まいは? 法改正は? 七つの疑問を専門家にぶつけた。

◇いつから検討されていたのですか
◇何と呼ばれてどこに住むのですか
◇一切の公務をやめてしまうのですか
◇贈与税はかかりますか
◇どんな法改正が必要ですか
◇退位した天皇の葬儀はどうなりますか
◇議論が必要な次の課題は何ですか


いつから検討されていたのですか

 天皇の周辺で生前退位が議論されはじめたのはここ数年のことではない。ある宮内庁参与経験者が、匿名を条件に内幕を明かした。
 「天皇自身の意向を初めて聞いたのは、2010年7月と記憶しています。以来、皇后も交え、幾度も議論されてきました」
 御所で行われる会食兼会議、いわゆるワーキングディナーが議論の場だった。熱心な議論は時に深夜まで及び、天皇は立ち上がったまま議論することもあったという。天皇も皇后も参与も自由に、忌憚なく意見を出し合った。当初は実現が難しいのではと考える参加者も多かったが、天皇の決意は固かったという。
 「当時、陛下は70代。『80歳までは』という気持ちも伺ったように思う。責任感の強い方ですから、早く意思を表明したいというお気持ちもおありだったろうし、その意思をどう国民に伝えるかも議論されてきた」
 「お言葉」までに6年。
 この参与経験者は言う。
 「正直に言えば、思いのほか時間がかかった」
 国民は「お言葉」をおおむね好意的に受け止めた。
 16年7月13日のNHKのスクープ直後は生前退位に懐疑的な立場だった、日本大学の百地章教授(憲法学)はこう話す。
 「公務に対する天皇の真摯なお考えに深く心を打たれた。長寿と、健康で行動的であることは、必ずしも両立しません。超高齢社会に入った日本では、必然の問題提起だったのでは・・・

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