教育・子育て
朝日新聞出版

永遠のライバル早稲田VS.慶応 「バンカラ」「ボンボン」は過去の話

初出:AERA2016年10月17日号
WEB新書発売:2016年10月27日
AERA

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 「良くも悪くもお金に対する嗅覚は早稲田より優れている。お国のために尽くしても金にならないという考えがあり、公務員志向は増えないでしょう」。慶応大の60代教授は語る。慶応は、公認会計士合格者数は41年連続トップ。司法試験合格者数も2016年は3年ぶりにトップになった。一方の早稲田。「こんなにキャリア官僚志望者が多くなったのか」と早稲田大OBで経済産業相事務官は驚く。建学精神から官僚とほど遠いように思われるが、意外なことに国家公務員試験では一般職を合わせると全国1位。Uターンで地方公務員になる人も多い。早稲田と慶応。正反対の個性を持つ私大の両雄をリポート。

◇進撃のワセダ、不動の慶應
◇首都圏ではライバル、関西ではタッグパートナー
◇入試の出題も対照的な両校/問題はメッセージだ


進撃のワセダ、不動の慶應

 バンカラと洗練。
 個性と人脈。
 正反対の個性を持つ私大の両雄、その野望と現実は。

 「早稲田ってこんなにキャリア官僚志望者が多くなったのか。大隈重信が悲しむでしょう。ぼくが言えた義理でもないが」
 早稲田大OBで経済産業省事務官のAさんは驚いた。2015年の国家公務員総合職合格者数で早稲田大が148人を数えたからだ。1位東京大は459人、2位京都大は151人(大学院、学部合計)。学部卒では1位東京大265人、2位早稲田大104人となっている。
 Aさんが通商産業省(現・経産省)に入ったのは1990年代後半のことだ。もともと官僚志望だった。東京大文科一類を目指したが受からず、浪人して早稲田大政治経済学部に入学。敗者復活戦のつもりで2年次から国家試験の勉強をはじめた。
 「在学中、官僚志望と言うと、早稲田もミニ東大化したものだと揶揄され、ちょっと肩身が狭かった」(Aさん)

◎公務員志向強い早稲田
 その建学精神から、早稲田大は官僚と縁遠いように思われる。だが、意外なことに国家公務員試験では一般職を合わせると合格者数466人で全国1位である。全国区の大学ゆえ、Uターンで地方公務員になる者も多い。最近では、首都圏出身者が増えたため東京都幹部候補生になる者が増えた。東京都職員?類118人は全国でトップである(15年度)。
 早稲田大キャリアセンター長の佐々木ひとみさんは話す。
 「実は、公務員は伝統的に強い分野です。早稲田には社会正義を追求するという気風があり、むかしは在野としてメディアなどで政治や行政を監視するような人たちが多かった。いまは公務員として省庁や自治体の中に入って内側から正義を実現して国を良くしたいと考える人が増えたようです。形を変えた社会正義の追求かと感じています」
 2016年、外務省事務次官に早稲田大出身者が初めて就いた。杉山晋輔氏(63、法中退)。77年外務省入省。アジア大洋州局長などを経て13年6月から外務審議官(政務)を務めた。だが、早稲田出身のキャリア官僚はまだまだ少数派である・・・

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永遠のライバル早稲田VS.慶応 「バンカラ」「ボンボン」は過去の話
216円(税込)
  • 著者AERA編集部・石田かおる、石臥薫子、小野ヒデコ/教育ジャーナリスト・小林哲夫
  • 出版社朝日新聞出版
  • 出版媒体AERA

「良くも悪くもお金に対する嗅覚は早稲田より優れている。お国のために尽くしても金にならないという考えがあり、公務員志向は増えないでしょう」。慶応大の60代教授は語る。慶応は、公認会計士合格者数は41年連続トップ。司法試験合格者数も2016年は3年ぶりにトップになった。一方の早稲田。「こんなにキャリア官僚志望者が多くなったのか」と早稲田大OBで経済産業相事務官は驚く。建学精神から官僚とほど遠いように思われるが、意外なことに国家公務員試験では一般職を合わせると全国1位。Uターンで地方公務員になる人も多い。早稲田と慶応。正反対の個性を持つ私大の両雄をリポート。(2016年10月17日号、8700字)

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