経済・雇用
朝日新聞出版

氷河期の大学経営 カネを稼いで生き残れ!

初出:AERA2016年12月19日号
WEB新書発売:2017年1月5日
AERA

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 少子化や人口減で若者の人口は減る一方。大学の経営が非常に厳しくなっている。企業との連携などでなんとか収益を出したり、八方手を尽くして新入生の確保に四苦八苦する姿を紹介する。経営難に苦しむ地方の私立大が「公立化」というウルトラCで復活する例もある。かつて大学職員の仕事は「安定」「高収入」「休みが取りやすい」などと言われたこともあるが、現場には変革の嵐が吹き荒れている。

◇第1章 大学だって稼がなきゃ生き残れない/人口減少時代の大学経営とは
◇第2章 大学、学生、自治体、みなハッピー?/地方の私立大を「公立化」する利点と課題
◇第3章 大学職員って今も勝ち組?/非正規雇用と転職組が増え環境激変中


第1章 大学だって稼がなきゃ生き残れない/人口減少時代の大学経営とは

 大学経営が厳しい、と言われるようになって久しい。
 18歳人口が減る一方で進学者数はむしろ増え続けてきており、将来も進学率が劇的に上昇することは期待しにくい。
 政府がもっと教育に投資を、という内外の声ももっともだが、財政事情を考えるとあまり期待はできないだろう。
 大学に打つ手は、まだあるのか。
 
[国立] ベンチャーに投資も、不動産だって貸そう
 11月下旬、東京大学本郷キャンパス内の建物の一室。企業と東大内の研究者が集まり、ワークショップが開かれた。
 まず、自身の研究を発表。その後、消費者のニーズをみんなが考えて発表し、それぞれの持つ技術を使ったプロダクトやサービスを話し合った。
 このワークショップを主催したのは、東大の産学協創推進本部。2004年の国立大学の法人化以降、10年以上にわたり研究成果の特許取得や、大学発ベンチャーの支援、大学研究者と企業との共同研究の支援に取り組んできた。
 だが、最近になって大きな変化を感じていると、同本部の各務茂夫教授は言う。
 「ここ2〜3年で、学内外からの産学連携の問い合わせが急増しているのです。最近では、東大内の研究者と学生からは年間100件ほど起業相談が、外部の企業からは毎日のように共同研究などの問い合わせがあります」
 同本部の約10人のスタッフでこなせる仕事には限りがある。これまではほぼ無料で相談に乗っていたが、増え続ける相談に、対応が難しくなってきた。
 「大学は今、自らのバリューを再定義する段階にあります。これまでは、本来なら得ている相応の対価を得ていませんでした。価値のある仕事には、当然フィーがかかります・・・

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この記事の続きは、WEB新書でお読みいただけます。

氷河期の大学経営 カネを稼いで生き残れ!
216円(税込)
  • 著者編集部・長倉克枝、熊澤志保、石臥薫子、熊澤志保、illustration 土井ラブ平
  • 出版社朝日新聞出版
  • 出版媒体AERA

少子化や人口減で若者の人口は減る一方。大学の経営が非常に厳しくなっている。企業との連携などでなんとか収益を出したり、八方手を尽くして新入生の確保に四苦八苦する姿を紹介する。経営難に苦しむ地方の私立大が「公立化」というウルトラCで復活する例もある。かつて大学職員の仕事は「安定」「高収入」「休みが取りやすい」などと言われたこともあるが、現場には変革の嵐が吹き荒れている。(2016年12月19日号、13400字)

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