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朝日新聞出版

邦画を復活させた五つの決断 映画は職人芸からビジネスへ

2017年01月19日
(12900文字)
AERA

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 日本映画が絶好調だ。アニメやTVドラマがらみの作品も多いとはいえ、30年に及ぶ「どん底」を抜け出したのは間違いない。背景には、良くも悪くも監督らの「個人の思い」が強かったのを改め、他の産業と同様に「プロデュース」や「マーケティング」を重視したことがあるようだ。そして、小さな「決断」を積み重ねた末の五つの大きな決断があった。しかし、まだまだ課題も多い。日本映画の最先端を見た。

◇第1章 《Scene 01 2015.12》300館で上映する/「君の名は。」以前の新海誠は上映館数23
◇第2章 《Scene 02 2013.01》庵野でゴジラを作る/オワコンだけど「新機軸で復活」は証明済み
◇第3章 《Scene 03 2010.10》東宝、再び企画部門を本社に/映画製作は「職人の技」からビジネスへ
◇第4章 《Scene 04 1998.10》テレビの手法で作る/観客が見たいものを意識して
◇第5章 《Scene 05 2015.03》「作家性」を取り戻そう/製作委員会よりクラウドファンディング


第1章 《Scene 01 2015.12》300館で上映する/「君の名は。」以前の新海誠は上映館数23

 公開中の映画「君の名は。」の勢いが止まらない。2016年8月公開。知る人ぞ知る存在だった新海誠(43)が監督し、東宝が制作・配給した。興行収入(興収)は200億円を超え、邦画ではスタジオジブリ「ハウルの動く城」を抜いて歴代2位。中国でも記録的ヒットとなった。
 新海が短編アニメーション作品「ほしのこえ」でデビューしたのは14年前。作画から声までほぼ一人で完成させた作品だった。その後、一定のペースで作品を送り出し国内外のファンがついたが、新海の所属事務所であるコミックス・ウェーブ・フィルム(CWF)が製作し東宝が配給して、新海史上最高の動員数を記録した13年公開の「言の葉の庭」の上映館数は23。興収は1・5億円。ヒットの目安とされる10億円は遠かった。
 それが、「君の名は。」では200億円超。大きすぎる飛躍をもたらした最大の決断は、15年12月、東京・有楽町にある東宝本社の試写室でなされた。
 東宝の上層部がその日、新海が作った「君の名は。」のプロモーションビデオを見た。直後に副社長の千田諭が言った。
 「300館規模で公開しよう」
 エグゼクティブプロデューサーで東宝映像事業部映像企画室長の古澤佳寛(38)は振り返る。
 「250館規模を想像していました。いよいよ会社が本気になってくれたと思いました・・・

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邦画を復活させた五つの決断 映画は職人芸からビジネスへ
216円(税込)
  • 著者編集部 福井洋平、柳堀栄子、竹下郁子、作田裕史
  • 出版社朝日新聞出版
  • 出版媒体AERA

日本映画が絶好調だ。アニメやTVドラマがらみの作品も多いとはいえ、30年に及ぶ「どん底」を抜け出したのは間違いない。背景には、良くも悪くも監督らの「個人の思い」が強かったのを改め、他の産業と同様に「プロデュース」や「マーケティング」を重視したことがあるようだ。そして、小さな「決断」を積み重ねた末の五つの大きな決断があった。しかし、まだまだ課題も多い。日本映画の最先端を見た。(2017年1月2日―9日号、12900字)

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