医療・健康
朝日新聞出版

誰もが何かに依存している 薬、酒、買い物、スマホが止まらない理由

初出:AERA2017年1月30日号
WEB新書発売:2017年2月9日
AERA

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 何かに依存させることによって経済が回るシステムに包囲され、買い物、スマホからアルコールや薬物まで、追い立てられるようにハマる日々を送ってないだろうか。居場所やつながりが乏しくなった現代社会において、人々は孤立から依存を深めている。深刻な依存に陥らないために、何が必要なのか、探ってみた。

◇第1章 ワンクリックの快感/〈消費〉ネットショッピングとクレジットカード
◇第2章 永久に遊び続ける設計/〈コミュニケーション〉 スマホとオンラインゲーム
◇第3章 依存が依存症になる前に/〈予防〉 プレアルコホリクスミーティング
◇第4章 VR技術が進んだ未来には、依存の問題は解決するか/オンラインゲームに不可欠なディスプレー
◇第5章 ポイントは本人の気づき/インターネット依存からわが子を守るには


第1章 ワンクリックの快感/〈消費〉ネットショッピングとクレジットカード

 出無精なほうだから、買い物は好きじゃない。せいぜい書店に出かけるくらいだ。
 そんな会社員の男性(44)が、日頃手軽に利用しているのが、ネットショッピングだ。商品はクレジットカードで決済する。
 「やるな」と内心舌を巻いているのが、関連商品を表示するリコメンド機能だ。購入履歴を分析し、購買意欲を的確についてくる。バーベキュー用のグリルを買えば、鉄製のヤカンなどが表示される。最近は、屋外用バーナーがあらわれた。
 「コレは便利だな、とポチッと買いました」
 妻からは小言をくらった、と男性は苦笑いする。
 「確かに、おすすめされなければ知らなかった商品。でも、表示されると、『あれもできる』『これもしたい』とイメージが広がりますよね」
 こまごました買い物が増え、出費は若干増えたというが、今のところ特に困ったことはない。よくある日常の一コマだ。
 個人消費は落ち込んでいるが、インターネット上で商品やサービスを購入するネットショッピングは増加の一途をたどっている。市場規模は、2015年に13・8兆円まで拡大した。


◎伸びるクレカ決済額
 総務省の調査によると、主な決済手段はクレジットカードで、14年時点で60・9%の人が利用。「代金引換」や「コンビニエンスストアでの支払い」「銀行・郵便局の窓口・ATMでの振込・振替」は減少傾向にある。
 クレジットカード業界誌「カード・ウェーブ」編集長の岩崎純氏は言う。
 「クレジットカード決済額と民間消費に占める比率は、13年は41兆7915億円で13・2%、14年は15・1%、15年は16・2%と、毎年1ポイントほど伸びています。公共料金や税金の支払いにも使え、ポイントがつくなどのメリットもあるため、伸びていると考えられます」
 一方、カード払いに伴うトラブルも増えている。国民生活センターによると、「リボルビング払い」に関する相談は・・・

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誰もが何かに依存している 薬、酒、買い物、スマホが止まらない理由
216円(税込)

何かに依存させることによって経済が回るシステムに包囲され、買い物、スマホからアルコールや薬物まで、追い立てられるようにハマる日々を送ってないだろうか。居場所やつながりが乏しくなった現代社会において、人々は孤立から依存を深めている。深刻な依存に陥らないために、何が必要なのか、探ってみた。(2017年1月30日号、12000字)

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