教育・子育て
朝日新聞出版

トランプ英語に学ぶ 脱「惜しい」英語

2017年02月16日
(21100文字)
AERA

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真剣に英語を勉強したのは高校、大学時代まで。以後はその蓄積でなんとなく英語を話してきた。そんな人に多いのが「惜しい」英語。意図した内容とは異なる意味で受け取られている可能性がある。「単語選び」「あいづち」「発声」、そして、トランプ大統領の演説から、ちょっとしたコツを学んでみよう。

◇第1章 〈日常会話編〉 「OK」の意味は「イマイチ」に近かった
◇第2章 〈ビジネス編〉 会話が続かないのは「理由」が弱いから
◇第3章 〈TOEIC・英検編〉 体に染みついた「起承転結」を捨てる
◇第4章 トランプ英語は日常会話が演説に
◇第5章 あなたの英語がネイティブっぽく


第1章 〈日常会話編〉 「OK」の意味は「イマイチ」に近かった

 この年末年始、一冊の本がSNSで話題になった。タイトルは『なんでやねんを英語で言えますか?』(KADOKAWA)。通訳で英語インタビュアーの川合亮平さんが書いた本だ。
 「英語でも日本語でも、なるべく体になじんだ言葉を使いたいと思っています。僕は生まれも育ちも大阪。身近な関西弁を英語にするとこうなる、ということを書きたかった」
 という言葉通り、「そうだね」を意味する関西弁の「せや」ひとつとっても、「基本のせや」から「提案のせや」「確認のせやんな?」「同意のせやなぁ」「逆接のせやけど」「全面肯定のせやせや/せやねん」まで、多種多様な言い方が示されている。英語にすることで、「せや」の活用のニュアンスの違いはよりくっきりと感じられた。

◎意図していない印象
 体になじんでいない言葉を使うとき、自分の意図していない印象を相手に与えてしまう「惜しい」結果になりがちだと川合さんは言う。身近ではない言葉とはつまり、知識としてのみ知っている言葉だ。
 思い出されるのが4年前の「シャラップ事件」。国連の拷問禁止委員会で、日本の刑事司法制度が批判される場面があった。会場から笑いが起きたとき、日本を代表して出席していた大使が、
 「Don't laugh! Shut up!」
 と怒鳴ったのだ。海外メディアで取り上げられる騒ぎになったのは言うまでもない。
 大使は「shut up=うるさい、黙れ」だと知識としては知っていても、おそらく自分で使ったことはなかっただろうと川合さんは推測する。
 「どんな立場の人が、どんな状況で使うべき言葉なのか、TPOまでは理解していなかったのでしょう」
 言葉のTPOを理解することは、文法を正しく使ったり、ネイティブらしい発音をしたりすることよりも大事なことだ、と川合さんは指摘する。意図していない印象を相手に与えてしまうことは、コミュニケーションとして致命的。黙っているほうがまし、ということにもなりかねない。
 その意味では、ネガティブな意味を持つ単語は日本人が思っているよりも、強い意味である場合が多いという・・・

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トランプ英語に学ぶ 脱「惜しい」英語
216円(税込)
  • 著者編集部・高橋有紀、石臥薫子、山本大輔、市岡ひかり
  • 出版社朝日新聞出版
  • 出版媒体AERA

真剣に英語を勉強したのは高校、大学時代まで。以後はその蓄積でなんとなく英語を話してきた。そんな人に多いのが「惜しい」英語。意図した内容とは異なる意味で受け取られている可能性がある。「単語選び」「あいづち」「発声」、そして、トランプ大統領の演説から、ちょっとしたコツを学んでみよう。(2017年2月6日号、21100字)

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